“池袋”と“新宿”を敵に回した者は最凶最悪の儚い少女でした。〜第2章〜

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〜静雄side〜
静雄「…うまいっ」
『そりゃ、よかったな。“凶華”がバケツプリン奢る約束してたらしいじゃん？』

俺は以前“凶華”と約束したバケツプリンの店←
に来てる

男1人では入りにくい店だが、2人だと入りやすい。

…カップルと間違えられるから。

『しずお〜俺にも一口食べさせて〜』
静雄「あ？大切なプリンを…」
『お願いっ』
静雄「…チッ、一口だけな」

くそっ…コイツのお願いには弱い…

俺は“愛無”用のスプーンを取り出すが

ーパクッ

静雄「え」
『んー！美味し…え？』

コイツ…スプーン持ってる俺の手を取って俺が使ってたスプーンで食べた…

間接…キス？

静雄「て、てめっ…！何して…」
『俺の後方三列目の右端の奴。俺を“凶華”と間違えてる。…“凶華”はお前と喧嘩しかしてないからな。仲良さそうな雰囲気で誤魔化そうとした。…上手くいったよ』

そう言って愛無は口の端に付いたプリンを指で取り、ペロリと舐め取った。

中身は違っても外見は同じだもんな…。

見た目だけじゃ区別はつかない。

てか、コイツ視野広いな。
そんな後ろの奴普通見えないって

『俺が視野広いわけじゃない。“儚叶”が広いんだ』

“愛無”は人格を操ることができる唯一無二の存在らしい。

だから、三人の人格の中から“今”一番必要でそれに適してる奴の体質のみ出すことができるらしい。

器用だな…。

でも、今はこんなに強気な奴でも夜は薬の副作用で泣く。

むしろ、“愛無”の本性は“儚叶”以上の泣き虫らしい。

怖けりゃ泣く。嫌なら泣く…泣く泣く泣く…。

でも、それを隠し通す事が今まで出来たのは“凶華”がいたから。

…アイツの根性とメンタルの強さは折り紙つきだもんな。

『しずお！次はどこへ行こうか』

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