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2話 ページ3

「A…」

ふわふわする意識の中、心地いい低い声が聞こえる。

うっすらと目を開ければ、目の前には愛しい人。

「さまときさま…」
「あぁ…悪ぃ、起こしたか」

寝起きのちょっと掠れた声も、朝日を反射する絹糸のような髪も、宝石のような瞳も、頭を撫でてくれる大きくて暖かい手も、全部全部、

「…きれー…」
「はっ…んだそりゃ…」

呆れたように笑われたと思えば、すっと近づいてくる左馬刻さまの顔。

目を閉じれば、瞼に軽く、口付けが落とされる。
次に頬、最後に少し長めに唇に。

あぁ、幸せ過ぎてバチが当たりそう…

ふわふわとした幸福感に浸りながら左馬刻さまを見つめていると、突然ぎゅうっと抱きしめられる。

「っあー…なんつー顔してんだお前は…あんま朝から煽ってくんなよ」
「っ!」

低く色気のある声が、直接耳に送り込まれる。
微睡んでいた意識が一気に覚醒して、顔に熱が集まるのを感じた。

「あ、煽ってなんて…‼」
「わーってるよ、冗談だ」

からかうようにクツクツと笑うと、左馬刻さまはするりとベッドから降りてしまった。
離れてしまった温もりを寂しく思いつつも、朝から左馬刻さまの色気に当てられてしまい中々動けない…

左馬刻さまに拾っていただいて暫く経つが、あの色気に慣れる日なんてくるのだろうか…

「あぁ、そうだ」

思い出したように、左馬刻さまが振り返る。



「はよ、A」


なんてことはない、朝の挨拶。

けれどもそれは、日常という幸せを実感できる、大切な習慣。


「はいっおはようございます!左馬刻さま!」


勢い良すぎだろ、と、また目を細めて笑う貴方。


私に自由と、幸せを教えてくれた神様。
そんなのガラじゃねぇと貴方は言うけど、私にとっては紛うことなき神様なんだ。


愛しい人と共にまた新たな一日を築ける幸せを噛み締めて、ベッドから抜け出した。

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和三盆糖(プロフ) - 香織さん» 閲覧、コメント誠にありがとうございます。ベタ甘な左馬刻さまが刺さったようで嬉しいです…!!マイペース更新にはなりますが、引き続きお楽しみいただけましたら幸いです。 (2021年6月6日 17時) (レス) id: 4f53f84ba0 (このIDを非表示/違反報告)
和三盆糖(プロフ) - さちゃんさん» コメントいただいたのに直ぐに気付くことができず、お返事出来ておらず申し訳ございません。かなり時間が経ってしまったのでもう届かないかもしれませんが…閲覧、コメント誠にありがとうございます。どうにか完結まで頑張りますので、また遊びにいらして下さい。 (2021年6月6日 17時) (レス) id: 4f53f84ba0 (このIDを非表示/違反報告)
香織(プロフ) - 久々の更新ありがとうございます!とても気になる展開と安定の左馬刻さまっぷりで最高です。続きを楽しみにしてます! (2021年6月5日 23時) (レス) id: be1cefb69b (このIDを非表示/違反報告)
さちゃん(プロフ) - とてもすきですT_T更新楽しみにしています>_< (2020年4月6日 1時) (レス) id: ffa613b322 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:和三盆糖 | 作成日時:2019年3月3日 19時

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