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『はぁー………』



なんだかとても疲れた。
私は大きなバルコニーで外の空気を吸うと微かに感じる風に目を瞑った。

あの後結局、シャークん様は飲み過ぎて先に自室に戻っていき、きりやん様は婚約者に捕まり面倒くさそうに対応していた。

きんとき様はというと、私に1時間程自由時間にしていいよ、と告げるとまた婚約者の元へ戻っていった。


やっぱり、とことん住む世界が違う人達だ。
なかむ様は勿論、幹部達(自室に戻ったシャークん様を除く)が貴族の人達と交流している姿を見て改めてそう思った。



此処は、私なんかが求めていい場所では無い。



『……私はやるべきことをやらないと』



そう呟くと私は再び会場内へ入った。









会場を見渡しひたすら観察を続ける。




すると不自然に人の群れから離れようとする者を捉えることが出来た。


あれは………



1人はベル様。
もう1人は…紫の綺麗なドレス……スマイル様の婚約者であるチーダ様だろうか。

ちらりと幹部様達へ視線をやると
きんとき様ときりやん様、そしてぶるーくは婚約者と話している様子が伺えた。
スマイル様の姿は………見当たらないようだ。


ならば、ターゲットの人物で間違いないであろう。



私は不自然にならないように彼女達のあとを追った。






会場へ続く廊下の突き当たりを曲がると

彼女達が厨房に入っていくのが見えた。


私は"騎士として"厨房に入る理由がない為、見張りをしている振りをしながらその場に留まった。



少しするとまた2人が厨房から出てきた。
手に持っているのは洋菓子…だろうか。香ばしい匂いが食欲をそそる。



「………あ。」



私の存在に気付いたベル様は私の目の前で足を止めた。



「ベル?どうなされたの?」


「この方…わたくしからシャークん様を奪ったのですわ」


「なんと極悪人な」



2人して私に物凄い視線を向けている。

極悪人、か。
悪く無い響きかもしれない。
だって私は、確実に良い人では無いから。



「Aさん…だったかしら。ちょっとついてきて下さる?」


『…かしこまりました』



言われた通り私は2人の後に続いた。

連れてこられたのは、何も無い空き部屋。
私は、以前スマイル様から貰った地図でこの城の全てを把握している
この部屋は緊急時用の客室として使われることが多く、普段は人が出入りする事がない部屋だ。


この好機は絶対に逃してはならない。
そう思った。


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作品ジャンル:恋愛
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٩( ᐛ )و - 一気読みさせてもらいました!すごい美しい物語で…語彙力が溶かされました()心情の描き方がすごく柔らかくて細かくて心にくるものがありました!この物語に出会って楽しかったです! (2022年12月23日 17時) (レス) @page42 id: 9df188f843 (このIDを非表示/違反報告)
ゆー(プロフ) - あずきさん» コメントありがとうございます…!!!わあああ嬉しいです…!!!!これからも頑張ります^^ (2022年9月30日 20時) (レス) id: ad479b9abd (このIDを非表示/違反報告)
あずき - 完結おめでとうございます!!これからも応援させてください~!!⸜🙌🏻⸝‍ (2022年9月30日 19時) (レス) @page43 id: fed7a00a2d (このIDを非表示/違反報告)
ゆー(プロフ) - せなさん» コメントありがとうございます!めちゃめちゃ嬉しいです‼︎頑張ります^^| (2022年8月6日 2時) (レス) id: ad479b9abd (このIDを非表示/違反報告)
せな(プロフ) - めっちゃくちゃ好きです...。。更新頑張ってください! (2022年8月2日 1時) (レス) @page15 id: 4799d8c49a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ゆー | 作成日時:2022年7月23日 17時

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