No.59*チョコレート ページ29
中也side
サキと言われた奴を横目に華恋を見る。青鯖が好むのも何となく分かる気がした
「おい」
「どうしたんですか?中原さん」
「こいつ連れて帰るぞ」
俺はサキと言われたヤツを指差しながらそういいのけた
「分かりました!」
華恋が立ち上がった時だった。風が突き刺さるように、華恋と俺の横を横切った
「風は幸も不幸も運びます。貴方達にはどちらの風が届くんでしょうか?」
「手前誰だ」
「申し遅れました、僕はワカといいます。よくもサキを傷付けましたね。僕は、許しません。サキと共にルアも返してもらいます」
再び華恋の顔が暗くなった様な気がした。その隙をついてか、相手が攻撃をしようとした時だった
「ワカ、久し振りだな」
「私達が居ることを忘れないでくれないかい?」
そこに、葵と太宰がやってきた。葵…ちゃんと生きていたのか…良かったぜ
「皆さん、僕と戦うのは誰ですか?」
「俺等に決まってんだろ!」
俺は、ワカと一気に詰め寄るが風を起こされ、俺の拳は当たる事は無い
「中也はやはり蛞蝓だ。突っ込んで行って当たる訳が無いだろう??」
太宰がやれやれという感じで俺に向かって歩いて来る。葵と華恋の姿が見えず辺りを見回す
「探し求めているのはあの2人だろう?私が先に行かせたのだよ。中也は目の前の敵にだけ集中していてくれないかい?私が死んでしまうではないか」
「死にてェんだろ?死ねばいいじゃねェかよ」
「私は、華恋に振り向いて貰えるまで死ねないのだよね。だから、蛞蝓一人で死んでね」
「俺もまだ死にたかねェよ!」
俺が言葉を放ち終わると共に突風が俺等の間を貫いた
「言い合いは終わりましたか?」
彼奴の方に目を向けると瞳が黒く濁っていてその瞳には何一つとして映ってるモノは無かった
「一つ聞いてもいいかい?」
「何ですか」
「何故、君は2人を通したんだい?」
云われる迄気付かなかったが、彼奴は態々2人を見ない事にして通さなくても良かったのだ。攻撃をして居れば良かった筈なのだ
「僕がルアとロフを止められないのは先程の事で承知済みです。確実に仲間にする為に、次のステップに進んでもらう必要が有るのです。ですが、貴方達は邪魔なのでここで大人しく死んでもらいます、2人で」
「私、蛞蝓と心中なんて絶対に嫌だよ」
「俺だって嫌だっつーの!」
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作者名:龍神邪炎&チョコレート x他1人 | 作者ホームページ:なし
作成日時:2017年12月19日 14時