No.58*龍神邪炎 ページ28
「はぁ…… ったく、アンタ等はホント似たもの同士だねェ」
与謝野がそういうと、違うと言い張る二人
しかし、その声は見事にハモっていた
「いいかい?アンタ等が撤退して、此処に戻ってこれないのは“今の状況”が続いているからだ」
「!」
「乱歩さんも言ってたよ 今回の作戦は些細なこと一つで大きく変わる
それを考えてみると作戦は少なくとも数十通りはあるってね」
つまり、アンタの達もまだ戦えるチャンスがあるッて事だよ_______
其れを聞くと、少し安堵したような表情を見せる中島と芥川
与謝野は、やれやれと言いたげに溜息をつき、クロの方へ体を向けた
「クロ…って言ったかい?アンタ」
「……ぅん」
「じゃあ、さっさと立ちな 行くよ」
「え、……行くって一体、」
「武装探偵社だよ______」
「!」
【武装探偵社】
その言葉を聞いた瞬間、クロの頭に『死』が連想される
だが、その考えを汲み取った与謝野はまた溜息をついた
「ウチは死にゃしないし死なせやしない
アンタはアタシ達が保護して、助ける」
「で、でもそんなこと絶対……」
「無理じゃないよ
大体、〈絶対〉ってもん程この世には存在しないのさ」
「!!」
与謝野の言葉を聞いたクロは、驚きを隠せず、呆然と座り込む
だが、少しすると、彼は「ははっ」と乾いた笑みを漏らした
「あぁ…………ほんと
ルアはいい人達を持ったね
______でも」
「ん?何か言いましたか?」
「ぃや、何でもないよ
……………気にしないで」
「?そうですか」
「貴様ら、さっさと歩け」
それから数十分後、中島、芥川、与謝野、の四名が肩を並べて帰ってきたらしい
クロの、あの時呟いた言葉は聞かれないまま
『ロフは君達を本当に信頼してるかな
きっと、彼女は脆いからすぐ壊れちゃうよ』
44人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:龍神邪炎&チョコレート x他1人 | 作者ホームページ:なし
作成日時:2017年12月19日 14時