No.60*チョコレート ページ30
「中也、私の云う通りに動いてくれるかい?」
俺は太宰のこの試す様な目が嫌いだ。俺の答えは何時だって分かってる癖に聞いてくる意味が分からねェ。俺は何時だって組織の駒だ、そして
「手前の云う事に間違いはねェ。葵が無事なら何でもする」
大事なモノを守る為なら何でもすると言うことを
「なら、あの子を捕らえてきてくれるかい?まぁ、少し気絶するくらいなら許してあげるけど」
「ハッ、舐めんじゃねェ」
俺は風を巻き起こす彼奴に向かって地面を蹴り、飛んで行く
まぁ、案の定風に邪魔され人物に触れる事は出来ない
「貴方は触れなければ私の質量を操る事は出来ない筈です」
「だからってずっと風を興しとくつもりかよ」
「勿論です。サキを連れて帰る迄興して起きます」
俺はここまで来て漸く気が付いた。此奴も此奴此奴なりに______
「手前も大事なモノを守る為今闘ってんだろ?」
「当たり前です_______やはり、貴方にはバレますか。僕も本気を出します、なので貴方も本気を出して貰いますよ」
『風の舞』
『汚れちまつた悲しみに』
風が室内を覆うように吹き荒れる。だが、ある一点のみが舞う様な静かな風が流れていた
「面白くなってきたじゃねェか!」
俺は、辺りに落ちている石や廃材等に触れると重力で浮き上がらせた。そして、彼奴向かって全てを飛ばす
「危ないです。ですが、この程度のモノ僕には当たりません」
風で前が見えず、適当に投げたのが悪かったのかも知れねェな
風の中心は幾つも存在し、何処に彼奴が居るかは予想すら出来ねェ
だが、俺の感では2時の方向だ
俺はその方向目掛けて、鉄パイプを飛ばす
「…うぁっ」
命中したのか、呻き声と共に風が少しずつ弱まっていく
「ねぇ、君。この子がどうなってもいいのかい?」
俺は、太宰の方を見る。太宰はと言うと、
「……ッ、辞めてください。僕は何でもしますから」
さっき華恋と捕らえたサキと言う奴の首筋に刃先を向ける太宰の姿があった
だが、武器を持っているという自覚があるのかすら分からないぐらい満面の笑みで微笑んでいた
それはそれは楽しそうに
「この子の為に君は大人しく降参しろって言ったら降参するのかい?仲間とこの子一人どっちが大切なんだい?」
「サキを取り戻し、仲間の所に戻ります」
ワカって奴を見ると、足は少し震え顔は青白くなっていた
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作者名:龍神邪炎&チョコレート x他1人 | 作者ホームページ:なし
作成日時:2017年12月19日 14時