Mother’s memory ページ13
まさか裏切るなんて。
第3プラントのママ、イザベラは心の中で焦燥感に追い込まれていた。
『あの子が《そう》
炎に飲み込まれつつある館の部屋のひとつひとつから子供が取り残されていないかを隅々まで確認していく。
『ここにもいない…』
エマ達のことだから子供を全員連れて逃げたのかもしれない。《あれ》は取った。ならば早く館の外へ！
＊
イザベラが外へ走りでた時には館は既に炎に覆われかけていた。
『チッ…』
ぬかった。これも全てのあの子のせいだわ。でも落ち着いて。発信機は…
『反応してる…！』
やった、発信機さえ壊れていなければ捕まえられる！向こうは幼子を含めた36人。今はようやく壁を登ったところかしら。
大丈夫、今から追いかければ…
＿＿ふいにスカートの裾を引っ張られる。
『！』
「ママ」
『…フィル…！』
振り返ると足元にフィルがイザベラを見上げて立っていた。
どういうこと、《全員》で逃げるんじゃ無かったの…？
『フィル、他の子達は？』
「こっち！」
走り出したフィルに付いていくと、イザベラを見た4歳以下の子供達が泣きついてきた。
「エマたちは？」
『大丈夫よ、すぐに連れてくるわ』
成程、逃げたのは5歳以上の16人。
橋までは遠いわ。急げば追いつける。
多少強引に子供達を離して走る。
『最期まで、諦めないのね』
＊
壁の上。目下にはあの頃と変わらない深い崖。
無線で聞くと橋には誰も来ていないと言う。
『どういうこと…？』
他のプラントに隠れている…？
それか…
『…橋を渡らなかったの？』
橋の逆方向に少し歩くと、第3プラントの数本の木の幹に結び付けられたロープが対岸へなびいていた。
『…負けたわ』
ロープは切られていて、もう追いかける事は出来ない。
あの時シスターを殺さなければ？ノーマンに壁の向こうを見せなければ？
『いいえ、やっぱり私の負けなのよ。あの子達…私の思った以上に成長していたのね』
『さようなら、せいぜい生き延びることね』
イザベラは素早くロープを回収すると、残された子供達の元へ帰って行った。
逃げ出した《あの子》の事を思い出しながら。
＊
『グランマ、今日はどのような用件なのでしょうか』
「73584、貴方にはこれから《この子供》の世話をして貰います｣
「ママ…？」
グランマの背後から銀髪の2歳程の子供が顔を覗かせた。
『グランマ、その子供は…？』
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ジュリー(プロフ) - みかん星人さん» 了解しました！どんどんコメ来ると嬉しいです！END分岐が多いようなので、別でEND集を作ろうと思いまーす！ (2019年3月2日 13時) (
レス) id: 3e129eef4c (このIDを非表示/違反報告)
みかん星人(プロフ) - コメント失礼します！個人的には2番寄りの6番が見てみたいです...wwもちろん何番でも楽しみですけど！更新楽しみにしてます！ (2019年3月2日 12時) (レス) id: 8089ca85b5 (このIDを非表示/違反報告)
ジュリー(プロフ) - 杏里さん» コメありがとうございます！(泣)了解しました！欲張りさんでもウェルカムなので他の方もコメお願いしますー！ (2019年3月2日 12時) (レス) id: 3e129eef4c (このIDを非表示/違反報告)
杏里 - 初コメ失礼します。アンケート12がいいです！（欲張り） (2019年3月1日 23時) (レス) id: 4f6b7da3ac (このIDを非表示/違反報告)
ジュリー(プロフ) - コメントお願いします！来たら嬉しすぎて泣きます。来なくても泣きます。(好きなやつだけ書くかもです) (2019年2月24日 15時) (レス) id: 3e129eef4c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ジュリー | 作成日時：2019年1月13日 12時
