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晃牙の弾くギターの音に観客が夢中になっていると、スバルたちがいた舞台袖から実況者の鉄虎が慌てて降りてきた。
「大変ッス! 大将がいないッス!」
「大将? 空手部の部長のことか?」
北斗が聞いた。
「押忍! 鬼龍(キリュウ)紅郎(クロウ)先輩ッス!」
鉄虎が言うと、次はスバルが反応した。
「鬼龍先輩なら、ナポリタン食べてたけど? さっき食堂で見かけたよ」
「ナポリタン!? なんでッスか!? これから出番なんスよ! 【龍王戦】は我ら空手部が代々優勝旗を受け継いできた、伝統あるドリフェスなんスよ!」
ぎゃー と勢い良く叫ぶ鉄虎。
後ろから足音が聞こえた。
「何を騒いでんだ、鉄(テツ)」
重厚な声音。
その声を聞いた鉄虎はハッと声の主を振り返った。
「大将! 何やってたんスかー!」
『来たな! 夢ノ咲学院最強、鬼龍紅郎!!』
鉄虎の言葉を無視し、紅郎を指差して叫んだ晃牙。
「...上級生を呼び捨てか。教育がなってねぇな」
続いて紅郎も鉄虎の言葉を無視し、晃牙を下から睨んだ。
紅蓮の炎じみた髪を後ろに撫でつけ、三白眼ぎみの黄緑色の切れ長の瞳をもつ鬼龍紅郎...夢ノ咲学院アイドル科3年B組、部活動は空手部(部長)、そして所属ユニット紅月(アカツキ)。
見た目はいかにも不良と言う感じの彼だ、が...
「...と、その前にハンカチなんか持ってねえか。ナポリタンで口元が汚れてんだよ」
「えええ!? なんでこんな時に【きちん】としてるんスか〜っ!」
外見に寄らず意外としっかりしていて家庭的なようだ。
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、 - この作品の続編ですが、最新作はオリジナルフラグが外れておりません。違反行為ですのでちゃんと外して下さいね (2018年8月9日 18時) (レス) id: 93bb7a0f46 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:白銀桜夢 | 作成日時:2017年10月29日 17時