neunundzwanzig ページ29
若さ故、昔を知らないからこそ出てきた質問
「…リヒト様は太陽のような、光のような方だったが陛下と初めて出会った時、命がかなり弱まっていた方だった」
「何かの病気に苦しんでいたのでしょうか?」
「その時は陛下も我々もそう思っていた。
だから陛下を筆頭に我々はリヒト様の療養も兼ねて一年の間に何度も西の国に通った」
「本当の原因は何だったのですか?」
「霊王の右足、左足を魂魄に移植したことによる魂魄異常だった」
「魂魄に移植…!?
生まれつき持っていた力ではなかったのですか!?
なんでそんなこと…!」
「霊体の力と滅却師の力を両立させて生き永らえさせる
そんな悍ましい欲望の果てにリヒト様が犠牲になった」
「……
リヒトさんは……そんな悍ましい方法で手に入れた力をどう思っていたのですか?」
「とても嫌っていた
特に、リヒト様の体の不調が一時期治り、体が自在に動くようになってきたあたりから"一刻も早く手放したい” ”いつか力に呑み込まれて自我は無くなる”と嘆くほど」
「……だから陛下はリヒト様の生まれ故郷を滅ぼしてまでしてリヒト様をこの国に…」
「今も語り継がれているその話…だが
リヒト様の生まれ故郷を滅ぼしたのはリヒト様自身ではないか…と私は思う」
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律 - 私はこの作品が大好きです!更新待っています! (2022年11月2日 9時) (レス) id: e82ad0cedc (このIDを非表示/違反報告)
律 - 今回もすごく面白かったです!更新頑張ってください! (2022年10月27日 17時) (レス) @page15 id: e82ad0cedc (このIDを非表示/違反報告)
ロンヌ(プロフ) - 律さん» ありがとうございます! (2022年10月19日 0時) (レス) @page11 id: fcf45e18ba (このIDを非表示/違反報告)
律 - とっても、面白かったです!更新待ってます! (2022年10月18日 20時) (レス) id: e82ad0cedc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ロンヌ | 作成日時:2022年10月11日 23時