牡丹が落ちる時【mfsk】

牡丹47 ページ47

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襖の隙間から太陽の光が私の顔を照らした
眩しくてぎゅっと目を閉じ、そしていやいや目を開けた


高い天井には電気のついていない照明




私の部屋だ。






｢んー…｣




大きく体を伸ばして、そして太陽に背を向けるようにして体を横にした





変な夢を見た気がする


モヤモヤする頭の中で、何かが引っかかりそして考えている間にもそのモヤモヤがどんどん遠く離れていく







｢……面倒な｣





どんなに頑張って手を伸ばしても、スルスルとほわほわと私の手に捕まることは無さそうだ



気になりはするけど、どうせ夢のことなんか現実世界に大した力を及ばさない


それよりはさっさと支度をして仕事に取り掛かろう






布団を畳みながら今日のやることを頭に並べる

取り敢えずさかたの部屋を用意するのと、周りへの根回し


諸々の下地が終わったらさかたに話を付けて、ここに加入させる



さかたは最初、ここに入ることを希望していたのだからあちらからしても万々歳な話なはずだ


なのでこちらの受け入れ態勢さえ整えばあとは楽ちん



その暁にはさかたのお目付け役だ



……そしたら私も若様とはしばらくさようならになる







寝着を脱いで、慣れた着付けをして、最後に長い髪の毛をぐるぐると後ろでまとめた


若様は私の髪に触るのが好きらしく、結んでいるとずっと睨んでくるので下ろすることが多かったが

やっぱり和装は髪の毛をまとめていた方が栄える





｢……コーヒー飲みたいな｣

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