51話 ページ2
【廊下】
「……」
トントン様から承った書類を部屋に運ぶ
相変わらず量が減っている
前は両手でも厳しかったものが
今じゃ片手で十分になるとは
「…」
何か、嫌な悪寒が走る
これから起きることを暗示しているかのような
どす黒くて、冷たいもの
不快が足首に巻き付く
そのまま喉仏まで伸びてきて
1寸先に針を向けている、
そんな感じだった
「…」
足を早く進める
なぜだか、わからなかったが
早く戻りたかった
途中で誰かにあったが
会釈だけとなってしまった
【Aの仕事部屋】
zm「…相変わらず、なんにもないんやな」
女の部屋とは思えへん程、雑風景なインテリア
家具も必要最低限のものしか置いておらず
あいつに、そういう趣味あるんかと
少し頭をかたむけた
zm「あれ、…」
椅子に置かれているものに視線をやる
無能が、買うには少し幼い
クマのぬいぐるみが
そこに居座ってきた
zm「へぇー、こんな趣味あるんやな」
zm「…」
くまの首を掴む
こいつの主はまだ帰ってきてへん
ロボロもいつもみたいに見逃すやろ
乱暴に掴み上げられたくまは
必死の抵抗をしているように思えた
zm「…なんか、無能の匂いやない匂いがする」
変なの、と思いながら
くまの腕を引っ張る
ミリミリと、不快な音を立てるくま
そのうち、諦めたのか
ビリッッと心地よい音と
無数の綿を散らしながら
左腕が重力に連れ去られ
床に落ちた
zm「もういっちょ、…」
右腕も同じことをすると、
くまは、悲痛な顔を浮かべていた
そうやろうな、痛いやろーなぁ
zm「悪いのは、あんたの主人やで」
zm「…」
両腕を盗られたくまに光はなく
ぬいぐるみと言うよりは、ただの無機物
という方が似合っていた
ガチャ
「ｯ、え」
俺が胴体を床に落とした時
ちょうどドアが開く音がした
目線の先には、こいつの主がいて
珍しく目を見開いていて
人間らしかった
「なん、で…」
zm「さぁ？」
右足を高くあげる
落下地点は
もちろんこのクマで
顔を歪めさせてやろうと思った
この時の俺は、
狂っていると思う
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花粉で○んでる人 - 無能という仮面は彼女にとって必要で、彼らにとっては彼女には不必要なのでしょう。 (2023年2月11日 9時) (
レス) @page23 id: 4e91283124 (このIDを非表示/違反報告)
kano(プロフ) - 76話のロボロ様。下卑じゃなくて、卑下って言いたかったのかな…。 (2022年7月13日 8時) (レス) @page27 id: aa27c45444 (このIDを非表示/違反報告)
みどり(プロフ) - 84話での 、 無能が無用になっています 。 マンちゃんが 好きになってくれた ？ と聞いている所らへんの … 。 初コメでのご指摘失礼します 。 (2022年6月29日 14時) (レス) @page35 id: 23507c8bf2 (このIDを非表示/違反報告)
あちき(プロフ) - ういさん» ありがとうございます😭✨ハンカチどうぞ(ｽｽｯ (2022年6月12日 1時) (レス) id: 2333384c06 (このIDを非表示/違反報告)
うい - ぬいぐるみ出てくるたびぼろ泣きしてます好きです (2022年6月11日 23時) (レス) @page32 id: 04389b3199 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あちき
| 作者ホームページ：http://33550619
作成日時：2022年4月26日 19時
