転入生の見廻り・3 ページ14
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「そのようだな……。まったく。
衣更。これでも俺は、貴様のことを高く買っていたんだぞ？ だというのに……薄情な奴め」
「ははっ、よく言うよ。こうなるって分かってただろ？ 旦那」
「え、え……？ 副会長……？ 鬼龍先輩も、それ、一体どういう……」
深々と溜め息を吐き、メガネを外して眉間を揉む蓮巳と、そんな蓮巳を窘めながら苦笑する鬼龍。
状況が飲み込めてない衣更くんは、そんな先輩2人を交互に見ながら、酷くおたついている。
「……ふふっ」
普段の様子からは想像も付かないような姿に、堪えきれなくなって、つい小さく吹き出してしまった。
びっくりしたように振り返る衣更くんに、私は笑みのまま、
「――御免ね、衣更くん。ちょっと試しちゃった……♪」
「へっ？ た、試した、って……？」
「そう。実はね？ 衣更くんの様子が変だって、蓮巳や鬼龍から相談されてたの。
まぁ心当たりはあるって言うか、むしろ1つしか無いけどさ。
――『Trickstar』への未練。出来れば、あの場所にまた戻りたい、って気持ち。まだあるんでしょう、それがさ？」
「え、っ」
ギクリ、と固まる衣更くん。ふん、と蓮巳が鼻を鳴らして、
「なんだ衣更。貴様、まさかバレていないとでも思っていたのか？」
「うむ。正直言って『もろばれ』であったぞ、衣更殿」
「ええ……、ま、マジか……。神崎にまで言われるとか……」
割とガチめにヘコんだのか、ガックリ肩を落とす衣更くん。
神崎くんにまで……って、君、それ地味に失礼じゃないかな？
「ともあれ。この移籍って、天祥院の指示でしょ？ だから蓮巳達も、君も、それに表立って逆らう事は出来ない。けれど……」
「――だからと言って、心の浮ついた者を抱え続けるつもりは無い。
『紅月』は少数精鋭の集団だ。有事の際に、足並みを乱したり、切れ味が鈍ってしまっては困る」
私の言葉を引き取って続けられた蓮巳の言葉に、他の2人も無言で頷く。
流石は『紅月』。『硬派』と言うか、自分達の存在意義をよく分かっている。
この一糸乱れぬ連帯こそが、『紅月』の、蓮巳の理想形。
だからこそ、その�猴�想�瓩鮗蕕襪戮�、蓮巳は私を頼った訳だ。
例え天祥院からの横槍が入ったとしても、それを一切ものともしないであろう私を。
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愛那 - めっちゃすきです！更新頑張ってください！ (2020年6月26日 16時) (
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作者名：姫結 | 作成日時：2019年2月17日 8時
