転入生の不貞寝 ページ37
「――『フラワーフェス』？」
「ああ。近々、そこの繁華街で開催される予定の『S1』だ。お前達プロデュース科の3人にも参加して貰いたいと思っている。
とは言え、演目は普段通りだし、貴様らはまだプロデュースには不慣れだろうから、今回は見学という形になるがな」
『彼』と別れ、教室に戻った私を待っていたのは、蓮巳からのそんな言葉だった。
「了解。じゃ、あんずちゃんとさくやちゃんにも言っとくね」
言いつつラインを立ち上げ、『プロデュース科』のグループに連絡事項を入力する。
即座に既読と了承の返信が2つ付いた。早いな2人共。
「ふん……新入生のみならず、転校生までもう懐柔したのか。流石だな」
「人聞き悪いこと言うの止めてね――？」
私の言葉に鼻を鳴らす蓮巳。何でそうちょくちょく私への敵意剥き出しなのお前……。
こないだの斎宮くんとの会話以降こんな感じなのだが、そんなに衝撃的だったかな、あれ。
私が『普通科の魔女』だなんて事、当然蓮巳も把握してると思ってたんだけど。
「あのねぇ蓮巳、心配しなくても何もしないよ私？ そういうのもう懲り懲りだし。勘弁して欲しいんだけど」
「さてな。貴様にそのつもりが無くとも、周りがどうかは分からん。あの朔間さん……朔間零ですら、どうやら貴様には一目置いているようだしな」
その発言で、蓮巳の意図を察した。
つまり、�犖�制�瓩澄�
私に改めて釘を刺すだけでなく、私を利用しようとしてる奴らに対しても、生徒会は目を光らせてるぞ、っていうアピールでもあるのだ。
――アホらし。
付き合ってられっか、そんなもん。
「……買い被り過ぎだよ、どいつもこいつも」
そう言いかけたのを辛うじて飲み込み、別の言葉を吐き捨てて、私は自分の席へ向かう。
――本当、どいつもこいつも。
私はいつだって、自分に降りかかる火の粉を払ってるだけだ。
なのに周りは、勝手に期待して、勝手に裏切られて、それを私のせいにしやがる。
うっせえ、お前らの都合なんざ知るか。自分の事くらい自分でどうにかしろよ。赤ん坊じゃあるまいし。
あちこちから突き刺さる物言いたげな視線を全て無視して、私は机に突っ伏して目を閉じた。
疲れた。今日はもう不貞寝しよ。
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姫結(プロフ) - あーりすさん» 有り難う御座います。仕事が多忙なのもあり、月1回更新出来ればいいかな……ぐらいの気持ちでダラダラ書いてますので、それでも大丈夫でしたら、これからも気長にお付き合い下さい。よろしくお願いします。 (2018年5月16日 18時) (
レス) id: 11e7a2152f (このIDを非表示/違反報告)
あーりす(プロフ) - え、なんで今まで赤星になってなかったのってくらい面白いです！！この小説見つけられてよかった！！更新FIGHTです、頑張ってください！ (2018年5月16日 18時) (レス) id: ab6d254405 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：姫結 | 作成日時：2018年1月17日 17時
