Heartbreaker 【吉沢亮】 (ページ6)

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僕が小学校の低学年から高学年になろうとしている時に母親は父親と離婚した。

その時は、二人にずっと一緒にいて欲しいと思っていたし、また家族3人仲良く暮らせることを願っていた。

しかし、少年の日の淡い夢はあっけなく壊されてしまうこととなる。

ある夏の日、母親がいつもなら買ってこないようなブリックパックのアップルジュースと人気チェーン店のドーナツをおやつに出してくれた。

“それ食べたらお風呂に入ってきてね”

僕はシングルマザーとして僕の為に一生懸命働いてくれる母親が大好きだった。

だからいつでも母親の言うことは素直に聞いてきたし、母親の役に立ちたかった。

母親の言う通りにお風呂に入って着替えると母親が布団を敷いていた。

『おかあさん、もう寝るの？』

“亮、ちょっとこっちきて”

母親の元へ行くとぎゅっと強く抱きしめられた。

いつもするハグとはどことなく違うな、なんてぼんやり考えていると母親は僕にキスをした。

そしてそのままパジャマのボタンを一つ一つ外され行為に持ち込まれたのだった。

初めての時は何をしているのか分からずただただ母親の様子がおかしくて怖くて泣いていた。

僕が泣いているとごめんね、ごめんね、と繰り返しながらも弾けてしまった欲望はもう引っ込みがつかなくなってしまっていたのか、ひたすらに跡をつけられた。

最初は１ヶ月に一度その日があるかないかだったのも、だんだんと僕が成長するうちに2週間に1度、1週間に1度スパンが短くなり、また激しさも尚のこと増していく。

そして中学生ももうすぐ終わる頃だっただろうか、もはや習慣化されたその行為に及んでいると児童相談所の職員が家にやってきて、僕は保護された。

どうやら学校の体育の時の着替えや、半袖のワイシャツから見える跡を不審に思い、担任が児童相談所に連絡を入れていたそうだ。

保護された後、父親には他に家族ができたと言うことで引き取ってもらえず、祖父母も高齢だったので、1年間は施設から登校することになった。

高校は地元の公立高校に進学し、アルバイトと父親からの申し訳程度の養育費で生計を立てていた。