Heartbreaker 【吉沢亮】 (ページ7)

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高校の時のバイト先の三浦先輩の紹介でこの店の面接を受けることになった。

『面接、緊張するなあ...』

先輩は亮なら一発で合格だと思うよ、と言っていたがどんな店の面接であれ、人に自分を審査されるのはどこかむず痒く、緊張してしまうものだ。

渡された地図通りに道を辿ると、4階建てのビルがあった。

一見するとふつうのビルだが、一回のドアがとても重厚感がありゴージャスな雰囲気をまとっていた。なんともミスマッチである。

そのドアを開けると、まるでどこかの国のホテルにワープしたかのような豪華絢爛な装飾が施されたロビーが広がっていた。

“吉沢くんかな？”

『あ、はい、三浦さんの紹介で来ました、吉沢亮です。』

“さあ、入って入って”

スーツでビシッと決めた少し童顔な男性店員に促されるまま店内に入るとロビーの中央にあるソファーへと案内された。

“じゃあマダム・ジュリエットの支度ができるまでここで僕とお話ししようか”

彼はにこにこしながら僕を見つめていた。

“改めまして、千葉です。で、吉沢くんはなんでウチの店に来ようと思ったの？”

『僕、大学も行く気なくて、高校もそんな頭いいところでてるわけでもないから高卒で就職できるところ探してたんです。』

“それで三浦くんがここを紹介したのか...”

『はい。』

“実は三浦くんね、ここのナンバーワンだったんだけど、お母さんが倒れられてね、この仕事を辞めて田舎に戻ることになったんだ。”

『そうだったんですね...』

三浦さんの事情を知って少し驚いていると、他の男性店員が千葉さんになにやら耳打ちをした。

“マダムの準備ができたみたい、奥へ案内するね。”

そう言って僕を奥の部屋へと連れて行ってくれた。