第16話 ページ16
『…えっ!?じゃあ、お二人は能力がないんてすか!?』
話をすべてききおえて、私は紅茶を片手に持ちながら聞いた。
「…え?あ…あぁ…。」
(なんかそう面と向かって言われると悲しいんだけど…。)
<ご主人にあってもキモいだけですもんね〜。>
「…。」
<でも、この私にないのは無念…っ。>
私のケータイのなかで涙をホロホロ流すエネさん。
『…でも、あっていいことなんて、そんなにないですよ。』
私は紅茶をすすった。
「…。」
キッチンからは夕飯のいい香りがする。
『…あれ?そういやカノさんは…。』
「…ああ、カノなら、デザートを買いにいくって行ってたぞ。」
『…そうなんですか…。』
にしても、遅くないかな?
話聞いてたのは30分以上だし…。
時計を見た。
時計には日付も表示されていて、画面には
[8月15日]
と明記されている。
時刻は5時。
『…っ!!』
私は目を隠した。
「…?どうしたんだ?頭がいたいのか?」
シンタローさんは、心配そうにおろおろしている。
『…あ、いや、……っ。』
私の目には今、
《ヒヨリ、死》
と浮かんでいる。
……ヒヨリが、死んだ?
まさか、そんなわけがないよね!?
ひびやだってついてるし…。
でも、もしもヒビヤも事故に遭ってたら…?
『…っ。私、ちょっと外いってきます!!』
私は不安な心を抱えたまま、外に飛び出した。
「…は!?A!?どこいくんだ…。」
私はおじちゃん家に続く道を走る。
何個も何個も交差点を通り抜け、公園の近くの交差点にさしかかったとき。
私の目には
《此処》
と浮かんできた。
『…此処!?でも、事故があったあとなんて…。』
私はまだ混乱していた。
息も絶え絶えになりながら、言葉に発する。
『…っ!』
そこには、倒れたヒビヤを抱き抱えるカノさん。
そして、その横には……呆然と立ち尽くすコノハさんが。
『…なに…これ…ヒビヤは…?ヒビヤは…大丈夫なんですか!?』
私は涙を流しながらカノさんに駆け寄る。
『…っ!』
そこには、目を真っ赤に染めた、ヒビヤの姿が。
「…新たに能力が目覚めたのかもしれない。
それはまだ分からないけど…。」
私は辺りを見回す。
……ヒヨリの姿がどこにもない…。
話によれば能力が開化するのに、生け贄が必要だって…。
『…じゃあっ…ヒヨリは…っ!?』
生け贄になったものは、姿もないまま、どこかに消えていく。
その言葉がふと頭をよぎった。
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ヒビヤが好きで何が悪い - タピさん» 更新頑張れ (2016年9月9日 18時) (レス) id: 123834f551 (このIDを非表示/違反報告)
タピ(プロフ) - 聖奈〜有希乃さん» すみませーん!更新しますね(><) (2016年8月2日 1時) (レス) id: 8574ab753f (このIDを非表示/違反報告)
聖奈〜有希乃(プロフ) - うぅ〜続き気になるねん!はよ更新おくれ〜(・o・)ノ (2016年7月1日 7時) (携帯から) (レス) id: f825b50579 (このIDを非表示/違反報告)
タピ(プロフ) - Kiss☆さん» ありがとうございます!最近更新できてなくてごめんなさい……(TT) (2016年2月24日 20時) (レス) id: 7ba4f2e8a7 (このIDを非表示/違反報告)
Kiss☆ - 頑張ってください!応援してます( *´艸`) (2016年2月24日 18時) (レス) id: f6fb928f18 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:タピ | 作成日時:2016年1月17日 13時