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第17話 ページ17

「…理由はわからない。
けど、この子をこのまま放っておくわけにもいかない。

この近くの病院に行こうか。
Aちゃんは、この子の知り合いだよね?」

カノさんが、真面目な顔をして私に問いかけた。


『…はい…。』

私は、震える唇を噛みながら返事をする。

「…大丈夫。死んではいないよ。
とにかく、一応病院に運ぶだけ。」

カノさんが、私の頭をまた、ぽんと撫でた。

『…っ…。』

私は涙をまたぽろぽろと流した。

「…んで、そこの君。
自己紹介はあとで聞く。
とりあえず、この子をおぶって病院まで運んでくれないかな?」

隣に未だたったままのコノハさんに、カノさんが話しかけた。

『…分かった。』

コノハさんは、ヒビヤを抱き抱えると、もうスピードで病院に向かった。

「…はやっ…。」


カノさんは驚いた顔をしたけど、そのあとケータイを取りだし、誰かに連絡を取っていた。


「………あ、キド?
ごめんごめん!それより緊急事態なんだ。
……新たな能力者が出た。
…うん…うん…分かってる。
その詳しい話はまた帰ってからするから。
うん。…うん。
じゃ、よろしく!!」

カノさんはケータイをポケットに入れた。


『…あの…。』

「…ん?今から病院に向かうよ。
あの速さだと、もう病院にはついてると思うしね。

それに……あのこの能力も気になるし…。

とりあえず今日は帰るのが遅くなるけど、大丈夫かな?」

『…はい…。』

カノさんはにこっと笑うと優しくてを握ってくれた。


「大丈夫!
あのこも、体は無事なんだし!
そのあとのことは僕たちに任せればいいし、あのこもおそらく、僕たちの組織に入ることになるだろうしね。」

『…そう…なんですけど…。』

「…?」

『…心配なんです…能力を持ってしまったことによって、ヒビヤが辛い思いをするかも知れないって…。』

「…。」

カノさんは一瞬だけ黙った。


「…まあ、百パーセント悪いってこともないけどね!

そのおかげで、僕たちはこうやって会えたんだし。ね?」


カノさんはにこっと笑う。

『…。』


私に心配かけないようにしてくれてることが、よく分かった。

だって私の目には今、[欺]が浮かんでいるから。

「さ、とにかく急ごうか。」

それから、私たちは足早に病院に向かった。



『…ここが…ヒビヤの…。』

目の前には[雨宮響也]とかかれたテンプレートが張られている病室。

がしゃん!!

中からものが壊れる音が。

「…ヒヨリはっ!!」

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設定タグ:カゲプロ , ヒビヤ , 恋愛   
作品ジャンル:アニメ
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ヒビヤが好きで何が悪い - タピさん» 更新頑張れ (2016年9月9日 18時) (レス) id: 123834f551 (このIDを非表示/違反報告)
タピ(プロフ) - 聖奈〜有希乃さん» すみませーん!更新しますね(><) (2016年8月2日 1時) (レス) id: 8574ab753f (このIDを非表示/違反報告)
聖奈〜有希乃(プロフ) - うぅ〜続き気になるねん!はよ更新おくれ〜(・o・)ノ (2016年7月1日 7時) (携帯から) (レス) id: f825b50579 (このIDを非表示/違反報告)
タピ(プロフ) - Kiss☆さん» ありがとうございます!最近更新できてなくてごめんなさい……(TT) (2016年2月24日 20時) (レス) id: 7ba4f2e8a7 (このIDを非表示/違反報告)
Kiss☆ - 頑張ってください!応援してます( *´艸`) (2016年2月24日 18時) (レス) id: f6fb928f18 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:タピ | 作成日時:2016年1月17日 13時

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