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『…い"ッッッッ_______』
首筋に犬歯が食いこんで、肉を裂くような痛みが走り、思わず声が出る。
噛ま、噛まれ、私、此奴に。
痛みが脳に伝わって、痛い痛いとそればかり思考が言って、どうすればいいのかどう判断するべきなのか頭が働かない。
ぬる、とした生暖かいものが、私の首筋を這って、また噛み付いて、…私の肩はぴくんと跳ね上がる。
『お、…おい、ごじょ、…ふざける、な』
「悟」
『あ…ッさ、さと…る、もう、頼むから、やめてく、れ…!』
「…ヤダって、言ったら?」
『…こ、殺す…ッ!』
「無理だよ、Aに僕は殺せない」
そんなの自分でも分かってるでしょ。と歯を食いこませる。
『ひ…ゃ、や、やめ、ろ…!』
「…Aって首、ホントに弱いよね。痛い方が好きなんでしょ?そんなに可愛い声出しちゃってさ」
な、な、ど、どういうつもりだ此奴。
こんなん、甘噛みなんかじゃ済まないぞ。
まるで、獣のように首にかぶりついて…こんなの、見た事、無い。
真っ白な雪色の髪の毛が、チクチクと肌に触れて、こそばゆい。
長い、はやく終われ、この時間が…早く!
その刹那、ちゅ、とリップ音がしたと思えば、悟の唇が私の首筋から離れた。
『_______この野郎…』
首がジンジンする。これ血出てるんじゃねぇか?
「今のは体験版ね」
とからりと笑う奴に殺意が湧く。
「先程ご体験頂きましたものが、[異性と話してはいけない]のペナルティでございま〜す!」
『…はぁ…』
完全に遊んでやがる。え、これが遊びだったらガチの時は食われるんじゃね?
「あら、結構跡ついちゃったね。ごめんごめん、あんまり可愛い反応するから。痛かった?」
『クッソ痛かったわ、クソ野郎…』
「そっかそっかぁ、…でも、
___もし今のルールを破ったら、今の何倍も痛くしたげるから」
そうやって綺麗に笑う悟の言葉が、洒落になんない程恐ろしかった。
それから、色々悟から案は出たが…どれもしょうもないものばかりだったので、全て私が切り捨てた。
最終的に決められたルールは、
私限定で[異性と話してはいけない]と、
_______[お互い、何があっても愛し合うこと。]
言わずもがな愛してるのだが…まあ、これくらいの【呪い】ならいいだろう。
これで、私は奴に縛られた。
奴も私に、縛られた。
元から縛られているのだが…今までとは違う。
_______愛という名の、呪いで。
所詮、愛は、呪いだ。
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グミ(プロフ) - みーこ【サブ】さん» 出来ますよ!いえいえこちらこそ何度もリクエストありがとうございますー! (2021年1月8日 15時) (レス) id: 763fbac217 (このIDを非表示/違反報告)
みーこ【サブ】 - リクエストで、熱が出ちゃったら、ってお願いできますか??何度もすいません! (2021年1月7日 19時) (レス) id: fd540dc306 (このIDを非表示/違反報告)
みーこ【サブ】 - グミさん» リクエスト、応えてくださってありがとうございます!五条先生のヤンデレ感が加速していて、すごくおもしろかったです(笑)更新頑張ってください! (2021年1月4日 8時) (レス) id: fd540dc306 (このIDを非表示/違反報告)
みどりちゃ。(プロフ) - 五条先生がヤンデレってトコが性癖にグサッと刺さって、いつも楽しみです!更新頑張って下さい! (2021年1月3日 23時) (レス) id: 2c92b3b212 (このIDを非表示/違反報告)
グミ(プロフ) - みーこ【サブ】さん» リクエストありがとうございますー!全然できますよ!是非作らせていただきますー! (2021年1月1日 12時) (レス) id: 763fbac217 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:グミ | 作成日時:2020年12月3日 7時