気がつけば[原田左之助] (ページ10)

今日:2 hit、昨日:8 hit、合計:10,522 hit

10 ページ10

･

貴｢この気持ち…言ったら困らせるんだろうな｣

失恋しても

時間は待ってはくれなくて

あっという間に時は流れた

いつの間にか長居していた私は

終わり行く時代をただ見ていた

原田｢俺は新八が抜ければそれに着いていく

お前はどうする？｣

何故聞くの…

一緒にいていいの？

そんな事を考えても

諦められてない私の答えは決まっていた

貴｢原田さんについていきます｣

原田｢そうか、ありがとな｣

貴｢いえ…｣

こうして私は原田さんと

永倉さんと新選組を抜けた

途中で永倉さんとも別々になった

2人だけになって

原田さんに謝られた

左之助｢すまねぇ｣

貴｢なんですか急に｣

左之助｢俺に付き合わせちまって｣

貴｢決めたのは私ですから｣

左之助｢あいつと重ねてみちまって…｣

貴｢…｣

左之助｢俺はお前が…｣

貴｢っ｣

左之助｢でもそれは重ねていたからだって

分かってたんだけどよ…

分かってたはずなんだよ｣

貴｢…｣

左之助｢お前の気持ち答えてやれねぇのに
お前を手放すのも嫌で…｣

貴｢いつから気づいてたんですか｣

左之助｢新選組にいる頃だ｣

貴｢…(かなり前から…

知ってて優しくしたの？
なんて残酷な人…ひどいよ原田さん…)｣

左之助｢お前には幸せになってほしい

ここでお別れだ｣

貴｢え｣

左之助｢お前の事を幸せにできるのは

この俺じゃない

色々ありがとな

帰り方…見つかるといいな｣

そう言って置いてかれた

貴｢っ｣

そこでふと薄桜鬼のあるシーンを思い出した

深手を負って

木にもたれかかって

終わる彼を

貴｢…っ泣いてる場合じゃない

最後まで一緒に居たい

追いかけよう｣

叶わない恋でもいい

この想いは奥さんに負けるかもしれない

けど、好きなんだ

始めてこんなに好きになった

代わりで守ってくれていたとしても
代わりにしちゃダメだと

彼は彼なりに葛藤した

だから言ってくれたんだ

ちゃんとお別れを言おう

私からもありがとうって

原田さんが行った方に向かったはずなのに

追いつかない

人伝に走り回り

やっと見つけた頃には

彼は安らかな顔をしていた

不知火｢あ、あんたか｣

貴｢…なんですか｣

不知火｢ほらよ｣

貴｢！

なんですかこれ？｣

不知火｢お前に渡せってよ

ん、じゃあな｣