【鬼灯の冷徹】子狐こんこん肆

子狐、子守りをします。 ページ27

急用でまた呼ばれた弟切の為に子守りをすると申し出たAに皆一斉に注目する。

｢いいんですか？｣

｢はい｣

｢すみません。すぐに上の子達に迎えに行かせますので｣

｢えっ！？じゃあ僕もいようかな｣

弟切の娘も狙っている白澤の嬉しいそうな言葉に鬼灯はすぐに金棒で殴られて地面にめり込み、

｢白澤様は帰って｣とAに冷たい言葉が浴びせられる。


｢でも、Aもこの前まで面倒見られる側だったのに子守りできるの？｣

茄子の言葉に唐瓜は｢お前も怪しいけどな…｣と突っ込む。



｢一緒に遊べばいいんでしょ？｣



胸を張って言うAに鬼灯達は顔を見合わせ、

｢遊ぶだけじゃない場合もあるけど…｣

｢ちょっと不安だ…｣

｢一子達も着いているんで大丈夫です｣

と小声で話す。


｢桃太郎さんがAさんにしたように面倒見るんです｣

｢なるほど｣


ちょっと不安が残りつつも、皆はAに子供達を預けて仕事に戻った。









｢何して遊ぶ？｣

｢丙ね、Aちゃんに聞きたい事があるの｣

可愛らしい表情を向ける丙にAは耳を傾ける。



｢どうすれば男の人を沢山貢がせれる程虜にできるの？｣

｢ちょっと待って｣



突拍子もない質問にAは頭を抱え、すかさず二子が

｢Aのは体質もあるって説明した｣

｢あ、そうだった｣

｢何話してるの｣


｢丙ね、将来は衆合地獄で働きたいの｣

｢だから参考の一部にAの事話した｣

｢そっか…でも個人的にはあまり嬉しくない体質なの。

だって欲しくない物も貰う場合や被る事もあるんだよ｣



｢それは売ったり横流ししたらいいんだよ｣

｢いや…そうだけど…心持ちが衆合地獄向き｣


苺々子が｢Aちゃんは鬼灯様のお嫁さんになるんだよね〜？｣と話題を変える。


｢やっぱりキスするの？｣

｢ノーコメントで｣


｢えー｣と残念そうにする苺々子と丙に｢Aはキスまだしてないんだよ｣と座敷童子達がコソコソと教え、


｢こんぜんこうしょうはしないってやつ？｣


丙の発言にAは床に倒れ込んだ。







心配で他の兄弟が迎えに行く前に仕事を終わらせた弟切と、同じく仕事を終えた鬼灯がA達の所へと戻る。

｢あ、おかえりなさい〜…｣

と疲れきった表情のAが眠っている丙達の中心で座っていた。


｢お疲れ様です。大丈夫でしたか｣

｢な、なんとか…地獄の質問責めに合ったので

寝転がせて物語読み聞かせして眠らせました｣

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