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子狐デートの約束をします。 ページ35

お香に指摘され、Aと二人で出かけることを考える鬼灯。

Aが発注書を持って訪れた時に聞いてみることにした。


「はい。確かに受け取りました。

 …Aさん明日なんですけど…よろしければ二人で植物園でも行きませんか?

 仕事の視察も兼ねることになりますが」



『二人で』

鬼灯からの誘いにAの周りに花がぶわっと散りばめられたように雰囲気が明るくなる。

頬がどんどん赤くなるAは「行きます!」と力強く返事をした。

「では、明日仕事が終わった後に…」

と予定を決めようとした所で「鬼灯様ー!」とシロの声が聞こえ、

桃太郎ブラザーズが鬼灯とAの所まで走ってきた。


「鬼灯様あのねあのねー!明日連れて行って欲しい所があるんだけどー!

 お仕事終わった後でもいいからさー」

「ダメ!!」

鬼灯の着物を掴んでいるAに皆は驚いた様子で注目した。

自分の発言にハッと我に返ったAの顔はさらに蒸気して茹蛸のように真っ赤となる。



「ごめん…でも、明日はダメ…」



着物を掴んだまま自分の白衣の袖で顔を隠すAに鬼灯の胸が小さくキュッと鳴り、

自分の胸に鬼灯は不思議に思った。


「じゃあ俺達また別の日にするわ!」

柿助とルリオがシロを連れて退散しようとし、状況が理解できていないシロは

「なんで帰るの?」とルリオ達に問う。

「バカ!俺達は今どう見てもお邪魔だろうが!」

「ここは気を利かせて二人にしてやるべきだろ」

2匹にそう言われ、シロもようやく理解して

「じゃあねー。Aデート頑張ってね!」

と声をかけられ、Aは恥ずかしさで消えたくなった。


「あの、ごめんなさい。思わず…

 鬼灯様はいつも誰かに先に取られちゃうから…」

「いえ、いいんです。むしろ私から断らないといけない所だったのにすみません」



昔、あんなに羨ましかったAの独占欲が自分に向けられている。

その事になんとも言えぬ胸のざわめきを感じていた。

着物の掴まれている部分が布越しだがくすぐったくもどかしさのような感覚もある。


「明日、おめかしをして行きますね」

そう笑う貴女の表情も、

走っていく後ろ姿も。


昔以上の愛しさでいっぱいになる。


「これから時々誘おう」
 




✱おまけ✱


一方お香はふとある事に気づいた。

「そういえばどんな形でも鬼灯様からよくお出かけに誘うのって

 Aちゃんくらいだわ」

子狐、デートします。→←子狐、デートしてません。



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(プロフ) - とーとばっくさん» 読んでいただき、ありがとうございます。自分のペースで更新頑張りたいと思います。 (2020年7月20日 15時) (レス) id: b29c9bf4f3 (このIDを非表示/違反報告)
とーとばっく - とても面白かったです!これからも無理のない程度に更新頑張ってください!応援してます! (2020年7月20日 6時) (レス) id: 10c7904400 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:十五 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php  
作成日時:2020年7月2日 3時

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