森に眠る芸術家九＊コラボ番外編＊ ページ13
目を瞑るAに瓦礫が落ちて来ず、ゆっくり目を開けると鬼灯が落ちてきた瓦礫を支えていた。
｢鬼灯様…｣
｢大丈夫ですか？｣
｢はい…｣
｢Aー！｣
建物に向かって行きそうな程取り乱す桃太郎を周りの大人が必死に抑える。
｢鬼灯のやつがついてるから大丈夫だよ｣
白澤はそう言って説得し、なんとか落ち着かせる。
くっそ…。信じてるからな。バカ鬼
｢ん……｣
目を覚ましたコナンは鬼灯に背負われていた。
｢目が覚めた？｣
｢あ…うん｣
建物が崩れた事に穴が空いた壁から外が見えるが高さからして降りるのは困難であった。
コナンが気を失っている間に2人を抱えて飛び降りて脱出しようとした鬼灯は
人間離れした行いを見せるわけにいかないので、面倒になったと改めて脱出方法を考える。
｢僕のこれを使おう｣
コナンは自分が着けていたサスペンダーを外した。
この道具が特殊な物であることを説明し、
サスペンダーを剥き出しになった鉄骨に固定した。
｢え…この紐で降りるんですか？｣
｢大丈夫だよ。このサスペンダー結構頑丈だから｣
不安そうにするAを鬼灯が抱き抱える。
｢私の首に腕を回してしっかり掴まっておいて下さい
大丈夫です。私を信じて｣
鬼灯に真っ直ぐな視線でそう言われ、Aは小さく｢はい…｣と返事をした。
別にの事で緊張してしまいそうだった。
サスペンダーで3人の身体を固定して降下していた時だった。
サスペンダーを固定いていた所も崩れてしまい、3人は急降下を始めた。
｢うああああ！｣
｢いやあああ！｣
鬼灯は叫ぶ2人の身体をしっかりと支えて壁を蹴り、
落ちる先を数メートル先にある隣の木の上へと変更した。
無事に木の上に落ちた3人はかすり傷程で済み、皆駆け寄る。
｢桃タロー！｣
｢A！無事で良かった…｣
Aは桃太郎と白澤に力強く抱きしめられ、
｢苦しいよ｣と笑う。
｢鬼灯様…ありがとうございます｣
｢貴女が無事で良かった｣
事情聴取をすると目暮が呼びかけている時、
コナンは鬼灯達がいなくなった事に気づいた。
霧の中で犯人から抜け出した事。
いつの間にか数メートル先の木の上に落ちていた事。
気になることは沢山あった。
｢あいつら……何者だったんだ｣
｢Aは途中から犯人知ってのか！？｣
｢うん。あのおじさんの血の匂いがしたから｣
4人は並んであの世へと帰っていたのだった。
✱✱✱✱✱✱✱✱✱
次回で終わります。
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鈴(プロフ) - とーとばっくさん» 読んでいただき、ありがとうございます。自分のペースで更新頑張りたいと思います。 (2020年7月20日 15時) (
レス) id: b29c9bf4f3 (このIDを非表示/違反報告)
とーとばっく - とても面白かったです!これからも無理のない程度に更新頑張ってください!応援してます! (2020年7月20日 6時) (レス) id: 10c7904400 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：十五
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/personal.php
作成日時：2020年7月2日 3時
