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子狐捜索します。 ページ4

「はい。行きたいって強請られたんですけど、今日は運悪く忙しくて…

 でも絵を描いたら一度ご機嫌になって鬼灯様達に見せに行くって出て行ったんですよ」


その話を聞いた鬼灯は

「そうですか」

と静かに言った。


「あっ!それでAがまだ帰ってないんですけど知りませんか?」

「Aさんならかなり前に出て行きましたが」

「そうですか。どっか寄り道してんのかな…。

 わかりました。ありがとうございます」

と話が終わり、電話を切る。


隣で一緒に電話を聞いていた閻魔大王は心配そうに眉毛を下げた。

「Aちゃん、大丈夫かな」

そこへ丁度、「出口付近の壁の修理終わりました」と獄卒が報告しに来た。


「ご苦労様です。ところで、狐の女の子が通りませんでしたか」

「狐の女の子ですか?あ、壁が壊れそうで危なかったんで、別の道から出口に行くように言いました」

「それっていつ頃ですか」

「昼…頃でしたかね」


それを聞いて真っ青になっていく閻魔大王。


「鬼灯くんやばいよ!あそこ以外の出口に行くにはややこしくて高確率で迷子になるよ!!

 間違えて阿鼻叫喚地獄が雪山の所に行っちゃったら…」

「わかってます」









「ひっく…ひっく…」

暗い廊下の隅でうずくまるA。

通ったことのない道に迷ってしまい、空腹と疲れで座り込んだしまった。

しかも、人が通る気配はない。



「お腹すいた…ギャッ!」

うつむいていたAが顔を上げると、そこにボウ…とボンヤリ二つの顔が浮かんでおり、

体が飛びはね毛も逆立った。


そこにいたのは座敷童子の二人だった。


「帰ろう」

「鬼灯様や皆心配してる」

と手を差し出してくるが、Aはプイッと顔をそらす。

「鬼灯様はAのこともういらないもん。

 鬼灯様は二人がいればいいんだもん」



「そんなことない。鬼灯様、Aのこと大好き」

「私達も、Aと仲良くなりたい」



「………」

顔を逸らしていたAだが、ゆっくりと自分より小さな手をとり、

二人に挟まれるように手をつないで歩くAは

「突き飛ばしてごめんね…」

と言った。









「鬼灯くん、本当に座敷童子ちゃん達でよかったかな…」

「今閻魔殿や閻魔庁の間取りに一番詳しいの彼女達です。大丈夫です。

 そろそろ連れ戻してくるでしょうし桃太郎さん達も着く頃でしょう」


少し気にしているのか、鬼灯は落ち着きがなさそうに歩きまわっていた。

子狐諭される。→←子狐怒られる。



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猫もん - 子狐が座敷童子に嫉妬する話、泣いてしまいました…小さい頃ってこんな感じだったなぁ…と思い出しましたw (2023年1月19日 18時) (レス) @page6 id: ab6da51256 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 褓さん» ありがとうございます。 (2020年6月16日 1時) (レス) id: b29c9bf4f3 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - いえいえ、、!鈴さんのできる範囲でゆっくり更新して下さい!気長に待ってます! (2020年6月10日 22時) (レス) id: 8689638df7 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 褓さん» コメントありがとうございます。留守にしていてすみません。更新頑張ります(*´∀`) (2020年6月10日 16時) (レス) id: b29c9bf4f3 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 久しぶりに占ツク開いたらたくさん更新されてて嬉しかったです、、!!これからも更新楽しみにしてます〜!! (2020年6月10日 12時) (レス) id: 8689638df7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:十五 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php  
作成日時:2018年3月7日 0時

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