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子狐、本当のことを話します。 ページ17

「今日は白澤様も来るなんて珍しいですね」

「今日は僕も用事があってね」

桃太郎と白澤、二人揃って訪れた閻魔殿。

いつもと変わらぬ白澤に対して、少し暗い桃太郎。

Aが家出をしてから1週間とちょっと経ったが、あれから二人は一度も会ってないのだ。


「うわっ!!」

あと少しで閻魔殿という所で突然暗くなった視界と後ろから布のような物で目元を隠された感覚に桃太郎は驚いて暴れるが、

「動くな」

というドスの聞いた鬼灯の声に血の気が引く。

「なんなんですか!!」

「いいからこのまま前に進んでください」

内心、なんだよと思う桃太郎は言われた通りに前へと進んだ。



数メートル歩いた所で布が外され、数分ぶりの光に目をしかめた後、やがて徐々に目が慣れてくる。

いつも見慣れた閻魔殿。そこに設置されたテーブルと、その上にはホールのケーキが置かれていた。

生クリームのケーキの真ん中には【桃タローいつもありがとう】という文字と周りに飾られている沢山のイチゴ。

テーブルの向こうには気まずそうに立っているAがいた。



「もうすぐ母の日だったから、檎ちゃんの所で…バイトしながらケーキの材料を買うお金とプレゼントのお金を貯めながら、

 ケーキを作る練習してたの。鬼灯様にバレてからは閻魔殿でバイトの後に鬼灯様に教えてもらって…」

小さな声で今までのことを話すAその話を桃太郎は呆然と聞く。


「これ…桃タローのどれもボロボロになってたから…」

差し出されるラッピングされた透明の袋の中には足袋が3足程入っていた。

それを受け取って数秒黙ったまま見つめていた桃タローは

「なんだよそれ…」

と小さく呟いた。

その言葉にAは俯く。



「あんなに怒ってた俺がバカみたいじゃん…」

ボタボタと涙がラッピングされた袋へと落ちていく。

涙と鼻水でぐしゃぐしゃになった顔の桃太郎に白澤は小さく「うわっ」と驚く。


「毎日、毎日。俺はAが心配で仕方ないんだよ。
 
 危ないことして怪我しないか、変な事件に巻き込まれないか。

 誘拐されたりしないか、辛い目に遭わないか。

 だって可愛くて可愛くて仕方ねぇもん。どの子よりもうちの子が一番可愛いんだよ」

桃太郎は着物の袖で涙を拭ってもう一度Aを見る。


「すごく嬉しい。けどもう危ないことはしないこと。ありがとう」

桃太郎の笑顔にAも「ごめんなさい」と飛びついた。


皆で囲んでAの作ったケーキを食べた。

子狐、成長しました。→←子狐家出をします。



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猫もん - 子狐が座敷童子に嫉妬する話、泣いてしまいました…小さい頃ってこんな感じだったなぁ…と思い出しましたw (2023年1月19日 18時) (レス) @page6 id: ab6da51256 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 褓さん» ありがとうございます。 (2020年6月16日 1時) (レス) id: b29c9bf4f3 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - いえいえ、、!鈴さんのできる範囲でゆっくり更新して下さい!気長に待ってます! (2020年6月10日 22時) (レス) id: 8689638df7 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 褓さん» コメントありがとうございます。留守にしていてすみません。更新頑張ります(*´∀`) (2020年6月10日 16時) (レス) id: b29c9bf4f3 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 久しぶりに占ツク開いたらたくさん更新されてて嬉しかったです、、!!これからも更新楽しみにしてます〜!! (2020年6月10日 12時) (レス) id: 8689638df7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:十五 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php  
作成日時:2018年3月7日 0時

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