孤爪姉のトリセツ【黒尾鉄郎】 (ページ23)

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トリセツ二十一ページ23

夢主side

夜久「え、外暗い」

衛輔の言葉に皆、ゾロゾロと部室から出て外を見る。

灰羽「ホントだ！」

黒尾「つーか研磨は？」

夜久「とっくに帰った」

黒尾「あー…」

山本「自主練に戻ります？」

海「いや、今日は帰ろうか」

夜久「ったく、お前らのせいで自主練の時間が無くなったじゃねーか。
せっかく春高行くって言ったのに、初っ端の部活からこうかよ」

「「……てへ☆」」

夜久「黒尾、顔きめぇ。A、せめて真顔でやるのやめろ」

そう。私は部活が終わってすぐに黒尾を部室に呼び出した。

3年生は最初のミーティングで、春高を目指し、部活を続けると言ってくれた。

今日から、また新たに私達のバレーが始まるんだ。

あ、そうだ。

「ねぇ皆、帰る前に1個」

海「A、それは3だよ」

夜久「いや、いつになったら数字覚えるんだよ」

「今度、7月7日に梟谷グループの合宿がある。2日間」

山本「おっ」

黒尾「春高予選前の強化合宿だな」

「で、その2週間後の夏休みにもある。丸々1週間。これが春高予選前、最初で最後の合宿」

皆の目がギラリとひかる。

「あ、あともう1個」

海「A、それは」

夜久「海、もういい」

「今回、監督の計らいにより、二つの合宿に烏野高校も参加することになった」

そう言うと更に活気に溢れる皆。

黒尾「っおお！」

夜久「まじか！」

山本「うぉぉぉ友に会えるぅぅ！！」

夜久「山本うるせぇ。

面白い合宿になりそうだな」

黒尾「おう」

「はい、お知らせおしまい」

ぱんっと手を叩くと同時に、衛輔がバックを持って背伸びする。

夜久「じゃー帰ろーぜ。

黒尾～、仲直り協力代として肉まんな。あと、ギャラとして後輩に何か奢れ」

「はっ！？」と勢いよく振り返る鉄郎。

それを聞いて皆、鉄郎に集りだした。

山本「まじすかあざっす！」

灰羽「俺、ハミチキがいいっす！」

犬岡「俺かりゃあげくん！」

山本「揚げ鶏！」

黒尾「お前らせめて一つのコンビニに絞れ！！」

夜久「Aはどーする？」

「んー、

鉄郎のカレーが食べたい」

私はニッと笑って言った。