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妖怪と陰陽師 ページ36

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「いやぁホンマこんな形で君に会えるとは思わんかったわ」

「それはお互い様だ」



私と秀元は縁側に座りのんびりとしていた。
周りはドタバタと騒がしい状況下で、だが。
しかしこの体制に入ってはや20分は経過していた。



「さぁて、そろそろ行こか」

「ああ」

「ゆらちゃ〜ん」



秀元はあくまでも転校生の式神。
その為秀元には限られた自由しかないのである。



「なんや、秀元」

「そろそろ行くで?」

「は?」






「つらら、お前も来るか」

「はい!リクオ様の元へ行かれるのですよね!?」

「そうだ」

「ならばもちろん、行きます!」



式神の牛車に乗り、私たちは向かった。
奴良組の妖気が感じられる方へ。









とはいえ、世辞にも広いとは言えないこの空間に4人もいると苦しいものがある。



「せ、狭…どうにかならへんの、秀元」

「ならへんよ。
そもそもこれ4人も乗るよう設計されてるわけないやん。
乗っても普通2人やわ」

「なんやねん!!」



何かと短気な転校生に私はそっとため息を吐いた。



「それより、これって本当にリクオ様の元へ行ってるんですか?」

「え?…行ってるんとちゃうの!?」

「ちゃうのって…
あなた、違かったらどうするんです!?」



転校生はわけもわからずどうやらこの式神を動かしてるらしい。
まぁ、あれこれ指示出したのは秀元だからそれに素直に従っただけだろうが。



「大丈夫やて。
こっちの方向言うたの、A姫ちゃんやねん。
この子がそう言うんやったら、そうやろ」



なぁ?とにっこりと笑い、ただでさえ細い目がより一層細くなる。

秀元には覇気のことは羽衣狐との一件後、鯉伴が生まれしばらくしてから手紙で話してやったことがある。
それはそれは興味津々にたくさん質問された記憶がある。
何通にも渡って。
多すぎてイラついたので一通分しか答えてやらなかったような気もする。
もしかしたら答えてすらいないかもしれないが数百年前の話だ。
時効である。



「てか、なんなん?
そのアンタのAさんに対する絶対的信頼!
うちと違いすぎやろ!
うちん時は必ず"大丈夫?"とか聞くくせに!」

「そりゃA姫ちゃんとゆらちゃんどっちが信頼信用出来る?って言わはったらどっちも出来るけどやっぱA姫ちゃんの方が強いわなぁ」

「はぁ!?」

「他とはちゃうねん、ボクとA姫ちゃんが過ごしてきた濃さは」

「会ったのは片手に収まる程度しかないが?」



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棘くん(プロフ) - 更新ありがとうございます!!! (2021年5月30日 16時) (レス) id: 187c3c8143 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - 更新ありがとうございます!!早速読ませてもらいました!次も楽しみに待ってます!頑張ってください! (2021年5月30日 12時) (レス) id: 105efbdf0c (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 紅葉さん» 紅葉様。応援ありがとうございます!これからもよろしくお願いします笑 (2021年5月30日 11時) (レス) id: 088474bcfb (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - 更新ありがとうございます!これからどんな風に話が進むのか楽しみです!頑張ってください!! (2021年5月22日 18時) (レス) id: 105efbdf0c (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ▼とある黒兎さん» 更新をお待ちいただきありがとうございます!ゆっくりですがちゃんと更新しますので、これからもご愛読くださいませ。 (2021年5月22日 18時) (レス) id: 088474bcfb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2020年11月12日 18時

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