【ぬらりひょんの孫】糸繰草 肆【初代】

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「無事か、リクオ」

「う、うん。Aちゃんこそ…」

「これくらいで私に傷を付けられると思っているのならお前は私のことを甘く見すぎだぞ」

「ご、ごめん」



しかし…あの小僧…



「気に食わん」



突然攻撃を仕掛けるとは

私は冷たい視線を転校生の兄だという男たちに向ける



「あきれたぜゆら。
全くお前は本当ににぶい妹だな……
ホラいくぞ……！！妖怪に会ったらどうする？
妖怪は──絶対"悪"。やることはわかってるな？」



それからというもの、黒髪の小僧は私とリクオに攻撃を続けてきた
日が傾いてきたものの、まだ妖怪化が出来ないリクオは人の身でありながら何とか攻撃を避け続け、私の事を庇い続けた
私はいいというのに、リクオはそうはいかないと私を庇うのだ
そういう所はぬらりひょんによく似ている



「まだ正体を顕す気がないか？
人に化け…たぶらかす妖怪よ…」

「ま、待ってお兄ちゃん…！
桜夜さんは、桜夜さんは人なんやないのか…！？」

「おうや？？」

「女の子の方や！！」

「はっ。本当鈍いなお前。
男の方より女の方がヤバいだろ、どう見ても」

「え……？」



バレたにせよ、私がここで小僧共を蹴散らすのは容易い
だが、リクオがどうなのか
リクオがそれを望んでいないのなら私はそうする気は無い
チラリとリクオを見てみるが、リクオもどうすべきか悩んでいるのだろう
小僧共を見て何も言わない



「人の姿のままでは心が痛むが…絶対"悪"さ滅するのみだ」



ドゴォォォ



「これでいい…ゆら。
さて…本題に入ろうか。………！？」




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