【ぬらりひょんの孫】糸繰草 肆【初代】

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私とリクオは目を見開いた
何故なら、今の攻撃を転校生が私たちを庇うように札で防いだからだ
しかし驚いたのは私たちだけのみならず、小僧も同じだった



「おいおい何のつもりだ…ゆら…」

「け…花開院さん…？」

「転校生、何を……」

「……奴良くん、桜夜さん。2人は──」

「え…」

「…」

「2人は───人間やんな？」



転校生は、確かめるようにそう言ってきた
だが、その目は私たちに間違いなく疑いを持っている
疑い、それでもなお転校生は私たちに人である事を示して欲しいと思っている目をしていた



「………」



なんて、曖昧な質問なのだろうか
私とリクオは、人間でもあり、妖怪でもある
答えとしては勿論YESだが…



「ボクは…人間だよ！」

「桜夜さんは？」

「…私も、人だ」

「うん！！」



妖怪が絶対"悪"とは
花開院め、どんな教育を長年にわたりしてきたのだ
妖怪も人も、共存すべき生き物だ
全てが悪などという偏った認識をさせるなど言語道断
ならば人に幸福をもたらす座敷わらしも悪なのか？白蛇も悪なのか？
この小僧の持論なのか、それとも花開院による教育の賜物なのかは知らぬ
だが、実に…腹立たしい



「妖怪をかばうのは花開院家の掟にそむくことだ。
この兄を信じられんのか」

「私は奴良くんと桜夜さんの言葉を信じる。
奴良くんたちは、私の仲間(クラスメート)やもん。
倒さなあかん敵じゃない！！わからんのやったら…
お兄ちゃんといえども私が倒す！！」

「倒す…？ゆらよ…自分の言葉に責任を持てよ」



そうして、転校生とその兄との交戦が始まってしまった









(転校生…)

(花開院さん…)

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