あったけえ ページ50
【アラン視点】
カレーオムライス……。
俺のために作ってくれたのか。
目の前から漂うスパイシーな香り。
ピカチュウのような色をした卵はふわふわで。
美味そう……絶対美味い、これ。
マノンも、ダイゴさんも美味しそうに頬張っている。
絶対美味い。
Aの作った料理だし、何よりAの気持ちがこもっているのが伝わる。
気持ちを込めなくちゃ、こんなきれいなオムライスは作れない。
温かいんだよ。出来立てってこともあるけど、それよりもはるかにAの気持ちがあったけえんだよ。
本当にいい娘だよな……。
俺はそんな娘を傷つけようとしたんだ。
だから、これを食う権利があるのかどうか、迷う。
「アランは、食べないんですか……？」
隣のAが心配そうな視線を投げかけてくれる。
「アラン……私のじゃ、ダメ、なんですか？」
そんなわけないだろ。お前の料理に何の問題もない。
「ダメなんかじゃない。最高だ。
ただ、驚いてるだけだ……」
驚いているよりも、迷っていると言った方が適切だが、余計な混乱を招きたくなかった。
「そんな顔で言われても……」
そうだよな。せっかく作ってくれたんだから、いい顔で食べないとな。
「……いただきます」
切り崩すのがもったいないくらいのきれいな形のオムライス。
端の方をつつき、なるべく崩れないようにすくって口に運ぶ。
「どう、ですか……？」
「…………！！」
何だこれは……！ 想像を絶する美味さだ……！
口の中でとろけるようなふわふわの卵。
まろやかにアレンジされたドライカレー。でもカレーのスパイシーな風味もちゃんと残っている。
脇役の甘めのタマネギがそんな不思議で美味い味を作りだす。
「あの……」
「美味い……美味いんだよ……」
こみ上げてくる感情を隠そうと、とっさにうつむいた。
「美味いから……何も言えねえんだ」
こんな温かい料理を作ってくれる娘を守れなかったどころか、傷つけようとした俺って……。
惨めだよな。なんでそんなことしようと思ったのだろう。
Aはフラダリ代表よりも大切な存在。それはあの時もそうだったはずなのに。
「アラン……すまないが君にまた話があるんだ。
食事が終わったら……落ち着いたら僕と二人きりになってもらっても構わないかな」
自己嫌悪のループを断ち切ってくれたのは、ダイゴさんだった。
俺にしか聞こえないように小さな声で伝えてきた。
『落ち着いたら』と表現したあたり、察してくれているのだろう。
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エビピラフ - すごくすっごく面白いです！！それに、キュンキュンしますね〜。これからも更新頑張って下さい！！！ (2016年8月8日 1時) (
レス) id: 44e702c603 (このIDを非表示/違反報告)
リオン(プロフ) - カレーオムライス…とてもおいしそ〜とても食べたくなってきました！ (2016年8月6日 11時) (レス) id: 6bba43ef19 (このIDを非表示/違反報告)
瑠美 - 良かった。アランは、主人公に薬を飲ませなかった。安心しました。((o(^∇^)o)) (2016年8月4日 5時) (レス) id: eec2ec89e1 (このIDを非表示/違反報告)
瑠美 - 駄目。飲んじゃ駄目。その薬を飲んでしまたら、主人公は、壊れてしまう。アラン止めて。 (2016年8月2日 20時) (レス) id: eec2ec89e1 (このIDを非表示/違反報告)
頂志桜(サム)(プロフ) - 黒乙女ありすさん» コメントありがとうございます！ 主人公の考えとしては、『本当に美味しいカレーなら、飽きなんてこない』ってことなので、3日連続でも彼女にとってはむしろご褒美です(笑) (2016年8月1日 19時) (レス) id: f46217bc92 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：頂志桜 | 作成日時：2016年7月20日 7時
