修羅場の予感 ページ26
「ダイゴさん？ アランに何か？」
Aもその視線に気づき、不思議そうに問いかけた。
「うん。ちょっと、男同士で話したいことがあるんだ。二人はここで待っててよ」
彼は鋭い眼光で、俺を病室から出るよう促した。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
特に断る理由もないので、彼について病室から出た。
「それで、俺に何か？」
「あの子……Aちゃんのことなんだけどさ」
閉ざされた病室の扉をじっと見つめる彼。
「似ているんだよなぁ。あの人に」
その彼は、どこか遠くを見ているように目を細めながらつぶやいた。
「あの人？」
「僕を倒したポケモン界の女王。君も知っているだろう」
あの噂の人か。
ホウエンリーグも圧勝したと言われる人。
「ラグラージ使いの女性トレーナー……」
「そう。そして僕の初恋の人」
なんの戸惑いもなく出てきたその言葉に耳を疑った。
「今、初恋って……」
「ああ。あっけなく断られたけどな。既にお子さんもいたらしいし」
彼は残念そうに目を伏せた。
Aは彼の儚い初恋の人に似ているということか。
一体この人はどういう心境でAと接していたのだろうか。
「ところで、Aちゃんは強いかい？」
彼はいきなり声色を明るくして、まっすぐ俺を見つめてきた。
「……ああ。あいつは『最強』になれる力を持っている」
「君が認めるんだから、そうなんだろうね」
また扉に目を向けた彼。その扉の先に何を見ようとしているのだろうか。
「結局、何が言いたいんだ？」
「……君はずっとAちゃんから目を離さないよね」
「え？」
彼は微笑みを見せたが、俺には挑発しているようにしか見えなかった。
「君はきっと、Aちゃんに惚れている。だから僕に嫉妬したんだろ？」
尖った言葉が突き刺さる。
嫉妬……。
「そんな、嫉妬なんて、俺は……」
必死にもがこうとしても、彼は俺のすべてを知り尽くしているように思えて。
「そうか。じゃあ僕がAちゃんと恋人関係になっても、君は何とも思わないんだね」
まさかこいつ、Aのことを……！？
こいつはAが初恋の人と似ていると言っていた。それなら十分可能性はあり得る。
「それは、どういう……っ！？」
「冗談だと思ってくれればいいさ。
でも、君が躊躇している間にAちゃんが君から離れていくことだって、あるかもしれないということは覚えておきなよ」
再度病室の扉を開けて、Aとマノンに歩み寄る彼の姿は、逆光で暗く見えた。
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エビピラフ - すごくすっごく面白いです！！それに、キュンキュンしますね〜。これからも更新頑張って下さい！！！ (2016年8月8日 1時) (
レス) id: 44e702c603 (このIDを非表示/違反報告)
リオン(プロフ) - カレーオムライス…とてもおいしそ〜とても食べたくなってきました！ (2016年8月6日 11時) (レス) id: 6bba43ef19 (このIDを非表示/違反報告)
瑠美 - 良かった。アランは、主人公に薬を飲ませなかった。安心しました。((o(^∇^)o)) (2016年8月4日 5時) (レス) id: eec2ec89e1 (このIDを非表示/違反報告)
瑠美 - 駄目。飲んじゃ駄目。その薬を飲んでしまたら、主人公は、壊れてしまう。アラン止めて。 (2016年8月2日 20時) (レス) id: eec2ec89e1 (このIDを非表示/違反報告)
頂志桜(サム)(プロフ) - 黒乙女ありすさん» コメントありがとうございます！ 主人公の考えとしては、『本当に美味しいカレーなら、飽きなんてこない』ってことなので、3日連続でも彼女にとってはむしろご褒美です(笑) (2016年8月1日 19時) (レス) id: f46217bc92 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：頂志桜 | 作成日時：2016年7月20日 7時
