あまえたいま吉さん。２

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貴方「ただいま」

そう言って玄関のドアを開け家に入った。

するとリビングの方から母親の楽しそうな笑い声が聞こえてくる

お客さんかな….

やだなぁーと思いながら

靴を脱ごうと足下を見ると

見慣れない靴が玄関にきちんと揃えて置いてあるのが目に入る。

….男物のローファー?

誰だろう

誰であっても今は会いたくない。

できれば母とも会わずに部屋に入りたい。

だって泣いてしまって目が真っ赤なんだもの。


さっき、家に帰る前のこと

この赤い目について

母に問いただされるのは困るし、

とりあえず時間が経てば目の充血も治まると思って

近所の公園で時間つぶしてみたりもしたけれど、

どうにもならなくて

寒いし、

結局赤い目のまま帰って来た。

だから誰とも会いたくない。


まぁ、とりあえずリビングに行かずに部屋に行けば見られることもない。

そう考えて自分の部屋がある２階の階段を登ろうとしていたところ

パタンとドアの音がして

母「あーやっと帰って来た。ただいまくらい言いなさいよ」

う…..見つかった….

っていうか、

貴方「言ったよ。」

母「あら、そうなの？」

「まぁ、いいわ、それより、お客さん来てるわよ」

貴方「そうみたいだね」

母「みたいだね、って他人事みたいに。あなたのお客さんよ？」

「ずっと待っててくれたんだから」

貴方「え？誰？」

男物のローファーをはくお客さんなんて覚えがない…

そう思いながら仕方なく上がりかけていた階段を降りてリビングへと向かう

どうしよう、だれだか知らないけどこの目の充血を聞かれたら

どう誤摩化そう、

目にゴミがくらいしか思いつかない…

カチャッと音を立てて

母がリビングのドアを開け部屋に入る

それに続いて自分も部屋に入る

すると

今吉「おそかったなぁ、わしの方が後に出たのに」

「何かあったんちゃうかと思って心配したで？」

貴方「！？」

何で

何で私の家に今吉君がいるの！？

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