逸般人(？)なポートマフィア社員 (ページ35)

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ミレイの異能力。ページ35

森「拾い親を見捨てるというのかい？非情だねぇ。」

「いや、この間夫婦揃って熊に襲われちゃってね。組合のせいで葬式もいけませんでした。」

まるで世間話をするかの様に高木は話す。

「ちなみに愛犬も、実家の兄弟を追うように急死しました。」

森「それは災難だったね。」

森はさらっと流しているが、これは状況としては一気に高木が有利になった様な物だ。

人質、犬質がいない。という事は、高木は自分の身以外守る必要がある物が無いと言う事だ。

さらに言うと、高木は自分の身すらどうでもいいと思っている性分なので、実質高木を縛るものは何もない。

ポール「30番は？」

その言葉で高木の雰囲気がガラリと変わる。

「僕の前で、その名で呼ばないでください。こんなにも殺意がある沸くのは、久しぶりです。」

ポール「それで、ミレイは？」

「あれ？調べて居ないん？」

「彼女。自_殺したよ。」

中原「自_殺。」

「えぇ、彼女は優しいので、事故で人を殺めてしまっただけで気が病んでしまう性分だったので。」

「まぁ、僕はそんな所も愛しているけど…」

高木はうっとりとした様子で答える。

中原「おい、さっきの研究所で会ったっていうのはどう言うことだ？」

「ミレイは元々あの研究所に拘束されていたんだよ。まぁ、拘束と言っても研究所から出られないだけだけどね。」

ポール「あの時、ミレイは施設に居なかった。」

「うん。だって僕が爆発圏外付近まで連れ出していたもん。」

ポール「作戦を知っていたと言う事か？」

「いや？直感？なんてね。」

ポール「ミレイの異能力はとても危険だ。」

「それは僕が一番知っている。」

中原「異能力？」

「そうそう。思いの強さにより運を操れる。例えば羊構成員にかけてた怪我をし辛くなるとか。」

中原「！」

「あの異能力ねぇ、彼女の思いの強さで全てが変わるからね。しかも強力な物は、彼女が死んでもなお継続し続ける。」

森「もしや、君は…」

「そ！ミレイの死に際の願い。『死ぬのは私一人で良いよ。』これは僕とミレイの中の僕に向けられた思い。」

「僕は、不死の様な物だよ。どんな状況でも、運良く助かる。」

「ほら、僕に銃を撃ってみ？」

森「ヴォルエレヌ君。」

ポール「はい。」

ポールが銃を出すと、高木も立ち上がり自ら頭に銃を押し付ける。

銃と高木の額はゼロ距離。

ポールは引き金を引いた。