君の想い人は私じゃないんだ 2〘瀬名泉〙 (ページ11)

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俺が葉月に詳しく聞こうと思って、口を開こうとすると、俺の動作を先に予測したのか、葉月はチラッと俺を一瞥して、急にあんずに声をかけはじめた

萌音「ごめんね、プロデューサーちゃん。Aを煽るためにあなた達を利用して。」

……ちょっと？？今の絶対話しかけさせないようにタイミング見計らったよねぇ？？！！ありえないんだけどぉ？！

俺は葉月が俺から逃げようとしてあんずに話しかけたのだろうと察したため、とっっっても腹が立った

意味わからないよねぇそうやって誤魔化そうとするあたり。……葉月ならよくするけれども。

彼女は話をすり替えるのや話題の切り替え、話から逃げるのが上手い。

話術が上手いからなのか、作詞とかも上手で、、レオくんの曲から作詞していた俺から見ても、葉月は"言葉"において圧倒的天才だった

だからこそ彼女から本心を聞き出すのは難しいということだけは、Aから聞いてはいたけれども……

…それをよく分かっていても、自分が重要な話をしようとして逃げられるのは超腹立つんだよねぇ！！

俺がイライラしながら葉月ぃ！と思ってみていると、

明るく…だけど、申し訳なさそうにしている葉月の態度にあんずは押され気味になっていて、「あ、いえ、、」とだけ応えていた

急にグイグイと来られたら誰だってそうなるでしょうよと思っていると、葉月はあんずの困っている表情を一瞬だけどジッと見た

俺は葉月のその一瞬の瞳を見てゾクッと悪寒が走った

そのジッと見てきた瞳は、傍から見てもゾクッとするような悪寒に誘われ、全てを見定めるような不気味な瞳だった

なんとも言えなくなるような、不気味な瞳、、そして、多分これは鋭い観察眼、、それこそが彼女がアイドル業界で輝けるようにしてきた一瞬の手だったかもしれなかった

ジッと一瞬だけあんずのことを見つめた葉月は、にっこりと笑みを浮かべて何事も無かったかのように、また振舞った

萌音「ごめんね〜、せっかくの共演話だから私が受けたいところなんだけど実は私、今仕事セーブしてて…」

瀬名「はぁ？！あんた仕事セーブしている癖に共演話奪ったわけ？」

俺は葉月が話している最中にも関わらず、口を挟んだ。驚きが強かったのもあるし、単純に馬鹿じゃないの！？と思ったからだ

…まさかこの共演話受けれないとか言わないでしょうねぇ？それがそうだとしたら、本当に場を引っ掻き回しにきただけなんだけどぉ？