初めまして、命の恩人です。2【東卍】

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エマside

「振られたから手上げるなんて、ダセェことすんなや」

「……ッ、すいません…！」

ナンパしてきた男はケンちゃんにビビって逃げた。


「よっ、エマ。柊も。こんなとこで会うなんて奇遇だな」

『ドラケン君も買い物？』

「ああ、三ツ谷と待ち合わせしてた所だ。そろそろ来ると思うんだけど……あ、来たな」

「ドラケン、待たせて悪い…！って、柊さんとエマちゃん…？」

三ツ谷に状況を説明すると、何故か納得した様子だった。


『そうだ、良かったら一緒に行動してくれない？私だけだと、エマちゃんがまた言い寄られちゃいそうだし』

……いや、言い寄られてたのAちゃんもだからね？

この人…意外と天然なのかもしれない。

「俺は構わないよ。ドラケンは？」

「問題ねえ。じゃ、行こうぜ」

はっ…！これってダブルデートでは…？！

Aちゃんナイス！！


・

三ツ谷side

「柊さん。あっちのお店、二人で見に行かない？」

『え、なんで？』

「あの二人付き合ってるじゃん？だから、俺たちいない方がいいかなって」

まあ、俺が柊さんと二人になりたいってのもあるけど。


『なるほど。三ツ谷くんは気が利くね…。』

"じゃあ行こう"と言って、俺の手を引く彼女。

断られなくて良かった。……柊さんの手、小さいな。


『あ、そうだ。観たい映画あるんだけど、良かったら一緒に観ない…？』

「えっ、いいの？」

やべ、本音が出てしまった。いいの？ってなんだよ。

そんなことより、柊さんって映画とか見るんだ。

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