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貴方side
急いで家から出てきたせいで上着を忘れ少し肌寒く感じていた
早く改札口に入ろうと帰宅の時間で溢れている人混みを歩き進める
もう少しで改札口だ
そう思っていたら聞き覚えのある声が聞こえた
太｢愛夏っ！！｣
息を切らして此方にズンズンと歩いてくる治
動けずにいた私は治に腕を引っ張られ改札口から遠ざけられた
貴｢な、なんで。どうしたの？あ、離婚届けに不備があった？｣
結構急いで書いてしまったから何か空欄があっただろうか
太｢違う｣
貴｢荷物はまた行く事になっちゃうけど取りに行くから少しの間置かせておいてね？｣
太｢そうじゃなくて！｣
行かないで
弱々しい声で治が言ったと思ったら行かせまいと抱きしめられた
貴｢え、治？ダメだよこんな事したr太｢ごめん｣｣
言いたかった事は治によって遮られた
太｢こんな謝罪で済むような事じゃないのは分かってる。私は君に鬱陶しいと言った浮気もした。許されるような事じゃない。
でも気づいた。やっぱり私には愛夏しかいないって！自分勝手なのは私だ…。｣
抱きしめられているから彼が震えているのが分かる
彼はこんな事をして傷付けてしまったのだから愛夏が望むなら離婚届けをこのまま出してもいい
そう言った
太宰side
貴｢何それ。やだよ。私はずっと治といたいよ！朝出された時、悲しみと同時にやっぱりかって思っちゃった。何となく最近距離がある感じがした。どうすればいいか分からなくて治に話しかけまくった。でも、それが裏目に出てしまった｣
涙を零しながら話す
何時も愛夏は私の事を気にかけてくれるのに私は少しも気遣わなかった
けれど私と居たいと。そう言ってくれた
太｢本当にごめん。
もう、辛い思いなんかさせない信用が無くなってしまったかもしれないけれど｣
"もう一度、私にチャンスをくれませんか"
抱きしめていた体制から私は彼女の左手を取って跪いた
貴｢うんっうん！一緒にいさせて下さいっ｣
泣きながらも返事を返してくれて
私は彼女の左手薬指に指輪を填め直した
帰宅途中の人達は此方を見て拍手をする
太｢ちょっと恥ずかしいね｣
貴｢駅前だって事忘れてた｣
帰ろう、と愛夏に言うと寒そうにしているのが見えたので私の外套を掛けた
貴｢ありがとう｣
そう言って笑う彼女は可愛くて素敵なお嫁さんだ
たった一日の大事件は幕を閉じ
二人の薬指には指輪が優しく笑っている
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星桜(プロフ) - 魁夢-kaimu-さん» そう言っていただけで嬉しいです！ありがとうございます！ (2019年5月28日 11時) (
レス) id: 1dea27dd79 (このIDを非表示/違反報告)
魁夢-kaimu- - もうなんか、太宰さんが帰ってきたところでもう涙が止まらなかったです!続編も読ませていたたきます！ (2019年5月28日 1時) (レス) id: 6c2b3e4a08 (このIDを非表示/違反報告)
星桜(プロフ) - カゲロウ(白ヰ迷ヰ戌)さん» ありがとうございます！続編もご期待に添えられるよう頑張ります (2019年5月11日 12時) (レス) id: 1dea27dd79 (このIDを非表示/違反報告)
カゲロウ(白ヰ迷ヰ戌)(プロフ) - 凄かったです！(語彙力……)感動で涙が溢れました！続編楽しみにしてますね！お体に気をつけて！ (2019年5月11日 9時) (レス) id: 26ee7c4c14 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星桜 | 作成日時：2019年5月7日 21時
