行方不明15 ページ16
＿A side＿
案の定そこには零兄ちゃんがいた。その上に凛月がいるのが見える。零兄ちゃんは降りてくる途中だったようにも見えるし、ギリギリの位置で俺達の話を見て聞いてしていたにも思える。
A「……退いて、零兄ちゃん」
零「A…」
零兄ちゃんはすぐに退いてくれた。俺の名前を少し零して。そして、すぐそばの自室に入る。
俺は倒れるようにベッドに顔を埋めた。目から熱い何かが流れて来て、咄嗟にシーツを掴む。息が苦しくなって……自分から鼻をすする音がして、無意識に情けない声が出る。
……最悪だ。痛いし、苦しい。なんで。こんな思いをするために帰ってきたわけじゃない。でも言えなかった。言ったら……弱い所を見られてしまうと思ったから。
ここで助けを乞うても、誰も助けてくれない。兄弟も、表面上の、俺しか見てくれない。心配してるなんて建前上。
そう思うと、涙が止まらなくなった。より強くシーツをつかみ、情けない声を晒す。
すると誰か＿＿多分零兄ちゃんが、俺の頭を撫でてきた。こんな醜態を最後に晒すとは……と思うと、余計に止まらなくなった。
俺は左手で整っている髪を解き、簪もピアスも全て外した。これで顔が隠れる…は建前上か。
机の上に散らばる必要なもの全てをまとめてカバンに入れる。
すると玄関辺りがガチャりと音を立てて開き、聞き覚えのある声が聞こえた。
日和「Aー！支度できたよね！」
ジュン「おひいさんまだ早いでしょうよ。もう少し外で待ちましょうって…」
……早く支度をしよう。そう思いながら作業を進める。
零兄ちゃんがくれた歪な形の折り紙だったり、凛月がくれた絵だったり、色々散らばっている。
必要ないとも思ったし、持っていかなくていいとも思ったが、俺はいつの間にやらカバンに入れていた。だが、それを取り出そうという気にもなれなかった。
下から聞こえる煩い怒鳴り声も、聞き飽きたような罵声も、……日和の、俺を庇っているような声も、ここを出ていけば聞かなくて済む。こんな空間に
途中日和が部屋に来ようとしていたけれど、ジュンが止めたらしい。
その後の日和の声はところどころしか聞こえなかったけど、何となく嬉しかった。何より『俺という人間を愛してる僕達』と言ってくれたところが。こんな俺を愛してると言ってくれたことが、今は何より喜ばしい。
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ルナ（自称天才☆）(プロフ) - わかりました！みてみますね！ (2022年8月20日 14時) (
レス) id: 2c52dd1a0d (このIDを非表示/違反報告)
死柄木朧(プロフ) - ルナ（自称天才☆）さん» 一応続編で夏目くん書いてみましたがご覧になられましたか？でしたら感想とか改善点をお願いします。夏目くんストーリーで見たことないので口調が…。ご協力お願いします (2022年8月19日 21時) (レス) id: d2d08f032a (このIDを非表示/違反報告)
ルナ（自称天才☆）(プロフ) - は〜い！ありがとございます！ (2022年8月18日 21時) (レス) id: 2c52dd1a0d (このIDを非表示/違反報告)
死柄木朧(プロフ) - ルナ（自称天才☆）さん» リクエストありがとうございます！まだ出てないですね！ごめんなさい！続編で出させていただきます！また何かあったらどんどんリクエストなどください！ (2022年8月18日 8時) (レス) id: d2d08f032a (このIDを非表示/違反報告)
ルナ（自称天才☆）(プロフ) - こちらこそありがとうございます！リクエストなんですけど、出てたかわかんないですけど...なんかとりあえず推しが夏目なのでswitchとの交流が見たいです！よければよろしくお願いします！長文失礼しました〜 (2022年8月18日 0時) (レス) id: 2c52dd1a0d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：匿名F | 作成日時：2022年8月2日 14時
