19話 あんな想いは ページ20
Aside
鞠莉「…」
「…鞠莉さん…?」
鞠莉「…グス」
「鞠莉さん!?あー、えっと、すみません!余計なお世話でしたか!?」
鞠莉「違う…違うの…」
バッ
鞠莉さんが泣きながら私に抱きついて来た
鞠莉「嬉しいの…凄く…嬉しいのよ…」
優しく鞠莉さんの頭をなでる
今の鞠莉さんはまるで、泣きじゃくる子供のよう
…そうだ、鞠莉さんだって、普通の女の子なんだ
「大丈夫…大丈夫ですよ」
鞠莉「ありがとう…A…」
それからしばらく鞠莉さんは静かに泣いていた
鞠莉「ふぅ…あは、泣き疲れちゃったわ」
「これからはなんでも相談してくださいね?1人で背負い込むのはダメですよ」
鞠莉「本当にありがとう、A!…もう暗くなってきたわね」
「そろそろ帰りましょうか」
早く帰ろう
それからゆっくり鞠莉さんのお話を聞こう
愚痴でもなんでもいい
私は貴女の話が聞きたいんだ
「キャー!あはは!」
「いくぞー!!」
鞠莉「あら、ふふっ可愛いわね」
「鞠莉さん、子供とか好きなんですか?」
鞠莉「ええ、私は一人っ子だからね、姉妹とか見てるといいなぁって思うわ」
「確かに、ダイヤさんとルビィちゃんとか、千歌ちゃんちとか、凄い楽しそうですもんね〜」
鞠莉「私はAみたいな妹が欲しかったなぁ」
「えー?私が妹だと結構苦労すると思いますよ?」
鞠莉「あら、そうなの?ふふっ」
こんな他愛もない話も、鞠莉さんとだと凄く楽しい
もっと聞きたい、貴女の話を聞きたい
もっと…ずっと…
「それー!!」
「あ、まってー!!」
「あ!あぶない!!」
「!?」
その時女の子が道路に飛び出した
鞠莉「危ないっ!!」
その子を庇い、鞠莉さんも飛び出した
同時に大型の馬車が走って来るのも見えた
(間に合わないっ…!!!!!)
その時、
鞠莉さんの姿が
マリと重なった
「!?」
血だらけの…傷だらけの…あの時のマリの姿と
………やめてよ
もう私から…大切な人を…奪わないでよ…
「マリっ!マリィ!」
「マリ…どうして…こんな事に…」
もう…誰かが悲しむ姿なんて…見たくないよ…
「A!」
…もうあんな
「ありがとう…A…」
…あんな想いは…したくないんだよぉ!!!!!!!
「鞠莉さんっつ!!!!!!!!!」
ドォン
私は鞠莉さん達を押し飛ばした
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天霧(プロフ) - とても好きです。続き気になります。更新待ってます! (2022年6月13日 16時) (レス) @page42 id: 29b58b93c0 (このIDを非表示/違反報告)
湖南(プロフ) - 続きが気になります...!頑張ってください (2019年11月3日 10時) (レス) id: 9b8accfd92 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:うどんや | 作成日時:2019年6月2日 15時