2話 ページ4
段々と意識が浮上する感覚に陥る。
少女が目をゆっくり開けると桜の木の木漏れ日が昨日の雨の雫に反射してキラキラと辺り一面を光らせていた。
___あのままし.ねたのだろうか。
そう思って首を左に動かすと少女と同じ背丈で同じぐらいの歳の髪の赤い子がすやすやと寝息をたてながら木にもたれかかって寝ていた
「あ、起きたんだ。」
少女はその声にはっと息を飲み首を右に動かし後ろを見た。
するとそこには銀の髪に青色の目を持ち、肌にキラキラと鱗を輝かせた男が少女を見下ろしていた。
「?!」
「え、ちょっとぉ、それこっちの反応なんだけどぉ?なにか池の外が騒がしいと思ってたら勝手に泉に人間落ちてくるし?」
「.......かがちさま.......?」
少女が掠れた声で男に尋ねる
「そうだけどぉ?知ってて飛び込んできたんじゃないの?」
「わ、たし.......」
「しっかり喋ってくんない?何言ってんのかわかんないんだけどぉ。てかかさくん起きなよ。アンタがこの子見てるっていったんでしょぉ?」
そう言って蛇神は少女の隣ですよすよと寝息を立てて寝ている赤髪の男の子を起こそうと揺さぶった
「んん、、、、なんなんですかいったい、、、、」
男の子は目を擦りながらむくりと起き上がり蛇神を見上げた
そうして隣の少女にも目を向けた
「!ぶじだったのですね!!」
ぱあっと顔を明るくさせ周りに桜が散る
この男の子然り少年は桜神。蛇神の泉に根を下ろす桜の木の付喪神だったのだ。
_____落ちた時はそれは "池" だと思っていた。
でもそこは、暗いからこそ分からなかったものの池ではなく泉であることを少女は知った
少年の顔色とは裏腹に少女の元から悪い顔色はどんどんと青ざめて行った
_____し.ねなかった。またいきてしまった。
死しか次の人生に飛び移る方法がなかったのに少女は死ねなかった。
そう泉と小さな桜の木を見て確信した
「なんで.......」
少女は掠れた声で疑問を口にし目からはらはらと涙が落ちる。
「えっ、ちょ、なんでないてんのぉ?!」
「あわわわ!なかないでください!」
「なんで.......たすけたの.......?」
し.にたかったのに
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作者名:ゆなり | 作成日時:2019年6月4日 22時