episode 27 ページ30
総会の日がとうとう訪れた。
本家の妖怪どもが準備に奔走する中,Aは一人庭先の桜の大木を前に立ち竦み。虚空を見つめていた。
リクオが家をバタバタと出で行く音と「いってきます」という声がしたが,その声に含まれた悲壮感のような響きに少し不安そうな表情をした。
リクオの気配が邸から遠ざかっていくのを確認するとゆっくりと嘆息し,ある所へと向かった。
「入るぞ。」
「言う前から入ってるじゃねェか・・・」
訪れたのは鯉伴の部屋。
壁に背を預け片膝立てをした状態で,ゆっくりを煙管を口から離す鯉伴の姿が・・・
「・・・色魔?」←
「は!?」←
何処でそんな言葉覚えてきた!?と喚く鯉伴を鼻で笑い←
鯉伴の隣に同じような体勢で腰を下ろした。
「・・・リクオはどうしたんでィ。」
やはり,リクオの声に含まれていた悲壮感をきっちり感じ取っていたようだ。
何処か心配そうに眉根を寄せつつ,再び煙管にを口元にあてがい,ゆっくりと煙を肺へと送る。
「分からん。分からんが,良い傾向でないのは確かなんだろうな・・・。」
AもAで,なんとなく状況は分かってはいるつもりだが,それでも確信が持てない。
ふっと鯉伴が吐いた紫煙が,ゆっくりと立ち上るのを目で追うことで,Aはどうにかして自分の心の中にある不安から目を逸らそうとした。
〜〜〜〜
リクオが帰邸し,月明かりがゆっくりと地表を照らし始めたころ,大広間には妖怪の頭や組長なるものが雁首揃えていた。
「おうおう、みんな妖怪やってっかい」
「妖怪やるって何。殺んの」
「この前の神隠しもこのガゴゼ先生の所業ですぜ!!」
「妖怪なのに神なの。何、イキってんの」
「「「「.........。」」」」
総会どころじゃない。一言一言食ってかかるA。
隣で先程まで不安げな顔をしていたリクオは今や目の前で繰り広げられている一方的言葉攻めに目を白黒させている。
鯉伴は腹筋押さえていて役に立たん←
「何はともあれ...。そろそろ三代目候補を据えようと思うておる。じゃがの。おめぇーじゃダメじゃなァ、ガゴゼ。」
巫山戯た応酬から一転してぬらりひょんが本題に踏み込む。
「そして、儂はその候補に鯉伴の子、Aとリクオを据えようと思うておる。」
ぬらりひょんと鯉伴の視線が交わったかと思えば、同時にAとリクオへと視線を向けた。
「…いやだね。」「イヤだッ!!!」
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46蛇(プロフ) - すみません。あの、題名で姉となっているのですが、本編中ではずっと兄やお兄ちゃんになっていて更新を停止しているのにすみませんが直して欲しいです。 (2017年5月21日 23時) (レス) id: 4355172021 (このIDを非表示/違反報告)
立青2(プロフ) - コメ失礼します。14話で鯉伴が愛息子と言ってますが夢主の事なら愛娘じゃないでしょうか?更新頑張ってください。 (2016年9月2日 22時) (レス) id: 343bb7e876 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 無邪気すぎて逆に辛い (2016年8月14日 2時) (レス) id: 8988f383c4 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 魔耶さん大丈夫ですか? 私も、今ね今ね切実に背中が痛い。 「グェッッゲホゲッホ」状態でして。 理由は、妹が背中でキャハキャハ(*≧∀≦*)(/▽\)♪このような良い笑顔で、背中を飛び放てます。←寝転がっている私も悪いけどね! (2016年8月8日 12時) (レス) id: 8988f383c4 (このIDを非表示/違反報告)
あい(プロフ) - 夜遅くにコメントごめんなさい。 昨日、ばあちゃんちから、かえってきたら、妹に突進され尻餅つきました。 勢いが着きすぎで、三途の川見かけそうになりましたwwwwww (2016年8月6日 1時) (レス) id: 8988f383c4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:魔耶 | 作成日時:2015年12月13日 17時