薄桜鬼『この命が尽きても貴方と…』

27 華蓮 凛々しく ページ33

〜池田屋〜 総司side

近藤さんに続いて池田屋に駆け込んだ。
中には、二十人位の浪士がいた。

総司)「ーーーわざわざ大声で討ち入りを知らせちゃうとか、すごく近藤さんらしいよね」

ぞろぞろと、二階から浪士達が出て来た。

新八)「イイんじゃねぇの？…正々堂々名乗りを上げる。それが討ち入りの定石ってもんだ！」

定石ねぇ〜…

(人1)「へぇ〜、自分を不利な状況に追い込むのが永倉さんの言う定石？」

キィン…ーーー 一人の浪士が切りかかって来たのを(人1)は、余裕で止めた。

平助)「ハハッ！(人1)はこんな時でも、冷静だな」

グシャ

(人1)「当たり前だろ。こう言う時に冷静じゃなくちゃ！」

(人1)の刀は浪士を突き刺し、その刀を抜き血を振り落とした。
圧倒的で華蓮…その姿はまさしくーーーー

美剣士の如く

僕は、その圧倒的で華蓮な魅力に目が行ってしまう…



〜池田屋前〜 千鶴side

池田屋前まで着いた土方さん達は、池田屋を囲む様に自分の配置場所へと着いた。

すると、会津藩の人達が引き受けに来た。

会津藩)「新選組か？御苦労であった。後は、我々会津藩がお引き受けいたす。」

土方)「局長以下新選組、池田屋にて御用改の最中である一切の手だし御無用。」

このまま役人が踏み込めば“長州浪士制圧”は会津藩の手柄。

会津藩)「何を言う！我々、その池田屋に集まる不貞浪士の制圧に参ったのだ！」

土方)「・・・あんたらの為に言ってんだ」

会津藩)「な、何‼我々が、弱いと言いたいのか！」

土方)「隊服を着てない者がうかうか踏み込んだらなかの隊士に斬られるぞ」

土方さんは、たった一人で新選組の盾となり、仲間の手柄を守ろうとしている…

会津藩)「・・くっ…・・」

土方)「命が欲しかったら此処でジッとしてるこったぁ」

土方)「今一度言う、一切の手だし無用。」


土方さんの背中がとても凛々しく見えた。

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