May.65 ページ28
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黒のチノパンを履いて、上は動きやすいトレーナー。それでもダサいと思われないために、ちょっとはオシャレに身に纏う。
「ごめん、待った？」
「全然待ってないぞ〜！」
そう、今日はレオとデートです。同じ寮に住んでるから一緒に寮を出ればいいんだけど、一応スキャンダルに注意して、外で待ち合わせをするようにしている。
レオはメガネやらマスクやらはしてないけど、変装用に帽子だけは被っている。うん、様になっててかっこいい。
「じゃあ、いつものとこでいい？」
「うん！もちろん！」
レオが手を差し出して、私の手を引いてくれる。レオは久しぶりに日本に帰ってきたから会うのも久しぶり。こうやって手を引いてくれるだけでもなんだか頬が緩んでしまう。
＊
そう私達がデートで行くいつもの場所というのは、バッテングセンターである。え？なぜ？って思うだろう！
付き合いたての頃、私がストレス溜まりすぎちゃった時にレオが「ストレス発散できる場所連れて行ってあげる！」と言って連れてきてくれたのがここ、バッテングセンター。それから、私はどハマりしてしまって2人でよく来るようになったというわけ。
2人とも体動かすのは好きだし、運動神経も悪くない。絶好の遊び場と言うわけだ。
カッキーン
「おお！Aも上手くなったな！」
「でしょでしょ！」
「初めて来た時、ぜんぜん当たらなかったのになぁ」
ネット越しにレオに言われて私はドヤ顔になった。何回も来ていれば上手くなるのである。
でも、あの初めて来た時の出来事は一生忘れられない気がする…
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作者名：玲咲 | 作成日時：2021年5月1日 0時
