1.私の兄 ページ1
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「お兄、身長いくつだった?」
新学期が始まり、今日身体測定があった私。
お風呂上がりでまだ髪の毛が濡れた状態のお兄は牛乳を飲もうと冷蔵庫に伸ばしたその手を止めた。
「.......お前はどうだったんだよ」
「私?聞いて驚け!なんと3センチも伸びてました〜!!162センチ!めっちゃ嬉しい!!」
ハッハッハーと大笑いした私は「お兄は?」ともう一度聞く。.......そんなにお兄の身長が気になるのかって?正直そこまで気にならないし、答えなんて聞かなくてもわかる。それでも私がお兄に尋ねる理由。そんなのただの煽りだよ()
「あれあれあれ〜まさか身長伸びてなかったかんじですかぁ〜?」
「162はまだチビ」
「平均身長超えてますけどぉ〜?お兄なんて平均すら超えてないじゃん」
「.......ちょ、おま、俺それ結構気にしてるから!」
そうこの身長気にしてるこの男が私の兄 衣更真緒。身長は低めだけど、超優等生の凄いやつ。中学では3年間学級委員を務め、高校では生徒会に入ってるらしい。それに加え、中学の頃、友達に「Aのお兄ちゃんってイケメンだよね」と言われ続けるくらいのイケメンっぷり。気がついたらアイドルやっててびっくりした。
小さい頃からこいつと比べられてきた私だけど、上がしっかりしすぎると下の子ってちゃらんぽらんになるよねって思ってるから別に気にしてない。悪いのは全部こいつのせい。
それでもやっぱり根がいいやつだからお兄のことは嫌いになれない。周りから器用貧乏だなんて言われてるけど、私から見たらただのハイスペック野郎だ。
そう、これが私の兄 衣更真緒だ。
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作者名:玲咲 | 作成日時:2021年2月8日 16時