桜色Memories2【黒子のバスケ】

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試合が終わった。


初めて誠凛に負けた後は悔しかったけど

どこかスッキリした自分がいた。


でも今回は

悔しくて悔しくて堪らなかった。

皆にかける言葉も見つからなければ

下を向くことしかできない。


いつになく皆の空気もどんよりと重たかった。


でも，



大「全員胸を張れ！！

退場するまでだらしない姿を見せるな！

戦ったのは俺たちだけじゃない…応援席前に整列！！」



大坪先輩がそう言ったんだ。


3年生で主将で…この中の誰よりも

このチームのことを知っているであろう大坪先輩が

悔しさを表に出すことなくそう言った姿は

本当にかっこいいと思った。



「「「「応援ありがとうございました！！」」」」



応援席から聞こえてきたのは溢れるほどの拍手。



控え室へと続く道を皆よりも少し後ろで歩いていると

ふと前から高尾の声が聞こえた。



高「ベスト4かぁー

まぁこんなもんっしょ…よくやったよなーあの洛山相手に

あれ？真ちゃん調子やばい？

けど…わりぃ……今はちょっとｯｯ…慰めてやれねぇわ………」



高尾の震える声


そんな高尾に独り言のように言葉を投げかける真ちゃん


思わず足が止まって涙が出た。


試合中も泣いたのに…なんでまた出るんだろ…


そのまま逃げるように外へ出て風にあたったら

色んなことが頭の中で次々と蘇ってくる。



初めて秀徳の門を潜った４月


それからバスケ部に入って


皆と出会った


海常vs誠凛の練習試合

そういえば、このあとの試合も海常vs誠凛だなぁとか


誠凛に負けたインターハイも


夏の合宿も




今までで1番




貴『楽しかったなぁ…』




まだ1年なのに…


来年も再来年も秀徳なのに…



中学でもバスケしてたのに…



今までのどんな出来事よりも

ずっとずっと楽しかった。




貴『ふぅ…よし！もう戻んないとね…』



次は３決だ。


いつまでもうじうじめそめそしてられない。




貴『秀徳に来れてよかった…』





そんな私の声は

風にのって消えていった。

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