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Sprinkle ページ8

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「調子に乗らないで!!」



急にきた肩の衝撃で思わず尻餅をついた


上を見ると折角元は可愛いのであろう


派手な口紅やらチークを歪にさせる怒りと嫉妬が入り交じった顔

今にも降り出しそうな空に整った眉毛が吊り上がるが生憎私の口から弱音が出ることは無い


いつかは来ると思っていた


ここは夢ノ咲学院アイドル科でありかっこいい男の子だらけ

ライバルとなる他の女の子はいない

そんな最上のポジにいるのがこの私。


普通科の子たちが羨ましがらないわけがない。


でも一体どこから入ったのだろう。一応警備だけはしっかりしてるらしいけど。



「あんたみたいなのがいると迷惑なの!夢ノ咲から出てって!!」


胸ぐらを掴まれて無理やり立たされる

簡単に振り解けるんだけど最悪なことに私は体調を崩していて恐らく熱もあった


ちょうど早退しようとしていた時に絡まれたのだ



『は…離して』


熱のせいか足は震え頭もクラクラしてきた

相手は離すどころかこの状況を楽しんでいるようで絵本に出てくる悪役の雰囲気を醸し出していた


いつの間にかとうとう雨も降り出し校舎裏のアスファルトの色を変えていく



嘘でしょ。最悪。


でも同時にラッキーだと思った。だって気合いの入っているお化粧が落ちちゃうもんね。早く帰らないと。


そんな思惑は直ぐに消し飛んだ

再び強く押され冷たく湿ったコンクリートに逆戻り


今度は背中を壁に強く打った


痛みと熱、更には雨で体温が低下し私はまともに立ち上がれなくなってしまった


雫でペトリと顔に張り付いた前髪がうっとおしい。

『これからどうする気だ』そんな意味を込めて強く睨む

そんな抵抗も彼女からすれば気にする程でもない


雨は止まない。

溢れ出てくるのは涙ではなく乾いた笑いだけだった。




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Alsuhail Almuhlif→←捨てる神拾い拾う神を捨てよ



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多趣味のM(プロフ) - え、続きはないんですか??めっちゃ気になります (2021年9月5日 11時) (レス) id: f8e0dd5819 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アイスてぃー。 | 作成日時:2019年4月5日 21時

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