明日、ファンになります〈N.K〉 (ページ2)

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「なにしようとしたの、」

ちょっぴり怖い顔で、私に問い掛ける彼はやっぱり、あの人だ。

二宮和也。演技もできて、歌も出来る。そんな完璧な人が、目の前にいる。

「…いや、ちゃんと見てなくて」

「ちゃんと見てなくて？酔ってんの？」

「仕事で疲れてたんです」

じろ、と二宮さんを睨めば、「こっちおいで」と私の手を引っ張る。

見るからにでかい家に入ったかと思えば、二宮さんは私の方へと体の向きを変えた。

「…やっぱり」

私の目の下を親指の腹で撫でる二宮さん。

この状況が恥ずかしくて、二宮さんの指を払った。

「あのね、」と子供に問い掛けるようなしゃべり方をする二宮さんは、こう吐いた。

「きみ、死んじゃいそう」

笑う様子もなく、私の左腕を優しく掴んだ二宮さんは、なにも言わない。

テレビでは見たことのないような、そんな穏やかな顔を見て、時が止まったかのような感覚に陥った。

ぐらぐら、と世界が揺れる。

頭も痛くて、身体中が痛い。

あぁ、誰か助けて。

「こうしないと、消えちゃいそう」

一瞬、意地悪な微笑みを浮かべても尚、彼は私の左腕から手を離さない。

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