明日、ファンになります〈N.K〉 (ページ3)

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半ば強引に靴を脱がされ、ソファへと座らされる。

救急箱を出しながら、

「俺、二宮和也。きみは？」

吐息混じりに、そう言った。

絆創膏を二つ出して、「はい」と、隣に座った二宮さん。

「靴擦れ、してるんでしょ。貼りなよ」

「…はい、ありがとうございます」

腱の部分に絆創膏を貼って、どこに目線を向けたら良いのか分からずに、天井を見つめた。

「ねえ、」と二宮さんの声が聞こえて、咄嗟に左を見た。

「早く、」

「…えっ？」

「名前は？きみ」

「山瀬です」

「どっちかと言うと、下の名前の方が知りたい」

くふふ、と意地悪そうな笑顔が見られて、なんだかどき、としてしまう自分もいた。

そりゃあそうか、アイドルの笑顔なら誰だってきゅん、と来るだろう。

「Aです、」

「Aちゃんね。Aちゃんの仕事は、そんな疲れるような仕事なの？」

単純な疑問が飛んできて、返答するのに、少し時間がかかった。

この人に、弱音なんかを吐いて良いのかな。

「疲れ、ません…」

「へぇ、」

二宮さんは、自分の膝に頬杖を付いて、うんうんと頷いた。

…逃げ切れた。そう思ったとき、

「嘘つき」

二宮さんは静かに、その４文字を吐き捨てた。

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