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なにが、嘘つき？
「見てて分かるよ。目は虚ろだし」
優しい言い方で、でも言葉は刺々しくて。
泣いてしまいたかった。
叫び声を上げて、この世界のすべてが崩れ落ちてしまうくらいに、涙を流したかった。
だけど、それはできない。
．
何もかもを言い当てられて、胸がドキドキしていたとき。
「ねぇ、」と、二宮さんは私に語りかけた。
「明日、ファンになってよ」
「…はい、？」
「明日。俺のファンになって。そしたら、いつでもAちゃんの事守れる」
ふんわりと、優しい彼に包まれる。
柔軟剤の香りがした、二宮さんは「決まりだよ」と、私には有無を言わせないようだ。
くふ、と綺麗に笑った二宮さんの顔を見て、私も、口角を上げた。
私、
明日、ファンになります。
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作者名：あんさ | 作成日時：2020年6月12日 17時
