好きなのに。【狗巻棘】《完結》

８話 ページ9

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「さっきの棘、おかしいと思わねぇか？」




「だよなー、めっちゃ顔赤いしよぉ」









棘無しで廊下を歩いている真希とパンダ。









「急に赤面してなんなんだよ、」




「知るかよ」









ＮＯをＮＯで返す会話はこのふたりじゃ普通の会話だ。









「でもよ、見るからには棘ってAの事嫌いな感じだと思うぞー、」





「確かに、そう見えるよな」









「でもよ、自分から突き放してるようじゃね？」




「あ、分かる、後から突き放して損するやつな」









「なんで損するって言いきれるんだよー、」






「知らねぇよ」









「棘って自分から好き好き言いそうじゃねえよな」






「でも案外一直線だと思うけど？」









「あんまり照れた素振り人前で出さねぇと思ってた」







「分かる、キリってしてて影で照れてるやつ」









「お、おかかッ！///ってな」




「あ、今の似てる」









「マジ？？ツナマヨ、」






「キモ」









「パンダ泣く」




「泣いとけ」









話が逸れてる気がするが、これは２人のコミュニケーション。



ちゃんとした会話だ。









「棘ってAの事好きなの？」






「あんなに赤面してんだ、ぜってぇ惚れてんだろ」









「棘って自分に素直になるのが恥ずかしいんだろ」





「あー、だから嫌ってるフリしてんのか」









「A可愛そうじゃね？？」




「Aの事だしぜってぇ






「私嫌われてるかも……、、」






とか言って落ち込んでると思うぞ」









「そーいえば体育の時間、相談で終わったって言ってたよな？」




「嫌われてるかもしれない相手について、って、どうかしなくても棘だろ」









「Aって棘のこと好きなの？」




「私が知ってるわけねぇだろ」









その通り。



真希がAの恋愛事情を知っているわけないのである。









「今度聞いとけよ」






「パンダが聞けばいいだろ」









「俺が聞いたら驚くと思うぜー」




「そりゃそうだろ、変態パンダだもんな」









「パンダ本当に泣く……、」




「黙れ」









ちょっとした真希とパンダの会話。



これは２人共、棘とAを応援しているのである。








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