好きなのに。【狗巻棘】《完結》 (ページ8)

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７話ページ8

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『あっ、真希先輩、パンダ先輩、狗巻先輩も！！』

体育の時間(相談タイム)が終わり、私が廊下を歩いて寮に向かっていると。

２年生組とバッタリ。

そこには当悩みの元凶の狗巻先輩もいるわけで。

なんとも言えない感じに変な意識をしてしまう。

「おっ、ジャージなんだな、」

「似合ってんじゃねぇか」

『ありがとうございます、全然似合ってないですけどね、』

こんな可愛いジャージ、私にはもったいないくらい。

狗巻先輩の方を向くと、何故かその場で固まっていた。

ピシーン、という効果音がつきそうなくらいには。

「次体育？」

『いえ、今体育が終わったところです。

ほぼ私の相談で体育やってませんけどね(；´Д｀)』

「相談？ってそりゃまた何の？」

『あっ、と、…………ちょっとした事ですよ、

ある人に嫌われてるかもしれないっていう私の私情の相談です』

本人にこの言葉でバレるかもしれない。

若干ビクビクしながら狗巻先輩の方を見てみると、未だに固まっていた。

きっと私たちの話なんて聞こえていないのだろう。

私の視線に気づいたのかパンダ先輩が、

「おい、棘、棘っ！！」

と、顔の目の前で手を振っていた。

するとそれに狗巻先輩は気付いたのか、我に返っていた。

一旦、ホッ。

『何かあったんですか……、？』

やっぱり私と会ったから不快になったのかな。

だからこそ無理して固まってたとか。

一理ある……かも。

でも、皆(１年生＆五条)は狗巻先輩はとっても優しいって言うし。

嫌われてるのは勘違いだったりするかな。

なーんてただのワガママだよなぁ。

「……おかか、」

狗巻先輩はすぐに顔を逸らした。

私を睨むように目を見つめ、そして遂には目も逸らした。

私の頭にあの＂睨む目＂がリピートされる。

嗚呼、やっぱり嫌われてるのかな。

コレは嫌われてるって言う事実しかないでしょ。

『では、着替えもあるので失礼しますね、』

そして私はその場から離れた。

……やっぱり狗巻先輩は怖い。

「ありゃ、棘、顔赤いぞ」

「……おかか、ツナ//////」

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