二十八話 ページ29
「俺が言わんとしてること、此処に居る武将達、いやAさんや梨花さん、幸人さんでも分かるだろ?」
「戦国時代の時間の動き...?」
Aは慶次の言葉にはっとして呟く。
真田主従や伊達主従がやって来て二週間。
戦国時代で武将神隠しなどの噂が流れていないという事はそちらではあまり時間が動いていないと分かる。
「もしもそういう噂が流れてしまえば領主の居ない国は取られちまう可能性がある。そういう事か」
「...まぁ、そうだろうね。俺様達の方はお館様がいるからまだ心配無いけど」
「しかし、お館様に万が一の事あらば...!」
政宗、佐助、幸村が口々に不安を述べていく。
そして、その不安はAにもあった。
(そっか...、国を治める人が居ないと国は危険だもんね...。戦国時代...大丈夫なのかな)
Aの不安や疑問に答える者など誰一人として居ない。
そう思われた刹那、Aの頭の中に、まるでテレパシーのように声が聞こえてきた。
『大丈夫だよ。あっちの時間は止まっている』
「え...っ!?」
吃驚して、思わず声が出てしまう。
「お嬢様、どうかなさいましたか?」
「そうよ、急に声出して...どうしたの?」
「...な、なんでもない。私は大丈夫だから...」
「なら良いのよ」
梨花と幸人はAを見ては不思議そうな顔をした。
先程のあれは幻聴なのか。
Aは気になって仕方がなかったが、気にしないようにと心掛けた。
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彩月いろは(プロフ) - 美咲さん» コメントありがとうございます!更新は遅めですが、これからもよろしくお願いします! (2018年3月24日 18時) (レス) id: 676cb16bcb (このIDを非表示/違反報告)
美咲 - 更新頑張ってください。楽しみに見ています。 (2018年3月23日 23時) (携帯から) (レス) id: c4afbacf0f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:彩月いろは | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/36b8bca33b1/
作成日時:2017年5月27日 17時